兄弟喧嘩らしい。
最新話更新です!ついに決着が…?是非最後までお読みください!
キーンが城にぶつかった衝撃で、城が崩れ始めた。上で援護射撃をしていた俺は、
「くそ!これが限界か!」
城から降りることを余儀なくされた。ほかの仲間達も、城から離れて戦うことにした。だが、1人の男だけは城に近づいて行った。
「キーーン!生きているんだろう!!」
その声に答えるように、瓦礫の中からもう1人の男が立ち上がった。
「はぁ、全く…荒々しい攻撃しやがって…。」
またもキーンにディルは襲いかかった。間一髪の所を、避けたキーンは、誰もいなくなった城の中に走って逃げ込んで行った。
「今度は追いかけっこか…それも悪くない…。」
キーンは無我夢中で走り、ある部屋に逃げ込んだ。
「はぁ、荒々しいだけじゃないよ…めちゃくちゃ痛てぇな…。」
キーンはポケットに手を入れ、布袋を取り出した。
数時間前…
「キーン教授…ほんとに戦うんですね…。」
ユンが心配そうにキーンを見た。
「あぁ、すまないな、こんなことに巻き込んでしまって。」
その言葉を聞くと、ユンは頭を横に振り、小さな袋を渡した。
「教授…もしも身に危険が迫ったら、この袋の中を見てください。」
キーンは微笑み、
「分かった…楽しみだなぁ。」
出来れば見て欲しくないんですが、とユンは悲しそうな目でキーンを見た。
「大丈夫だ、だが、ユン君は戦わずにこの城に居てくれ。何かあればみんなに逃げるようにも伝えておいてくれ。」
ユンはうなづいた。
現在…
ポケットから取り出した袋の中には、1本のタバコが入っていた。
「え…俺が昔タバコ吸ってたの知ってたのか…!」
「…知ってましたよ!」
物陰からユンが現れた。
「ユン君!まだここにいたのか!早く逃げるんだ!」
ユンは笑い、キーンに近づいた。
「もう限界なんですね…私が戦いますから、逃げてください!」
キーンは怒鳴った。
「そんなことするな!」
その声にユンは驚いたが、逃げようとはしなかった。
「たのむ…逃げてくれ!」
「怪我人が何を言ってるんですか?いいから逃げてくださ…」
「逃げろ!…逃げろ…俺には作戦があるんだ。だから…大丈夫だ…。」
しばらく黙っていたがユンは
「分かりました。じゃあ絶対に生きて帰ってください。」
ユンは窓からそっと逃げた。
「ふぅ…これで心置き無く戦えるなぁ…。」
キーンはタバコに魔法で火を着けた。
「まずいな…。味も、状況も。」
「そんな冗談を言う余裕はあるんだな。」
ディルが部屋にやってきた。
ディルは詠唱をはじめた。
「兄さん…俺のスキルを知ってるか?」
「魔力可視化だろ?知ってるよ。この技の大きさもどれくらいか分かるんだろう。」
「あぁ…恐ろしいな…。だけどもうひとつ、兄さんを失ってから手に入れたスキルがあるんだ。」
ディルは軽く笑った。
「この状況をひっくり返せるくらいのか?」
「あぁ…そのとーり。ふふっ。」
「バカバカしいブラフだ。これで終わらせよう。」
「…グラビティショット!!」
大量の石がキーンを叩きつけた。
最後まで読んでくださりありがとうございました!2人の激しい戦いが終わりを迎えます…。是非次回も読んでください!