キーンの過去の真相だそうだ。
最新話更新しました!この戦いはどこに行き着くのでしょうか…。是非最後までお読みください!
「…え…?」
困惑する俺たちを前にキーンは話を続けた。
「俺の兄さんは…昔、事故で死んだ…。そう思っていた…。」
キーンは拳を強く握りしめた。
「兄さんは…兄さんは生きていたんだ…!何年も…何年も…」
…初めてキーンの涙を見た。しばらくの沈黙の後、カリンが口を開いた。
「キーンさん…あの、お兄様が生きてらっしゃったのはほんとに良かったのですが…どうしてキーンさんを襲ったのでしょう…か…。」
キーンは静かに首を横に振った。
「分からない…だが、あの事故の後、兄さんに何かあったことは確かだ…!だって…、俺の…俺たちの親は、魔族に殺された…!!」
そこにいた誰しもが彼の言葉に絶句した。更に、普段明るく振舞っている彼からは想像出来ないほど深く、暗い過去をその後に聞いた。
彼の名前がディルという事、
砂、石、岩を操る魔法が得意な事、
彼らの親が、かつて魔族に襲われ死んだこと、
その後兄弟2人で生き延びてきたこと、
そして、食料を手に入れるため森に入ったところ、足を滑らせ、兄だけが崖に落ちたことを知った。
「そんな兄さんが魔族の味方になっているなんて…信じられない…!」
「落ち着いてください!傷口が開いてしまいます!それに…きっと何か事情が有るんですよ…。」
「一体どんな事情があったって言うんだよ!魔族を誰よりも恨んでいた兄さんに!何が!」
キーンはカリンを睨みつけた。ここまで熱くなっているキーンを見たことは無い。
「……はぁ…、すまない…カリンちゃん…君には助けて貰っているのに…忘れてくれ、すまない…。」
「いえ…、私こそすみません…。」
キーンが熱くなるのも無理はない。過去に死んだと思っていた兄が敵国の兵士として生きていたのだ。平常心でいろという方が無理な話だろう。
しばらく経ったあと、重苦しい空気の中、キーンがいつもの明るいトーンで話し始めた。
「みんな!悩んでても分からないことは分からない、だから研究するんだろ?俺はもう大丈夫だ!真相を知るために…この戦いに勝つためにみんなの力を貸してくれ!」
答えるまでもない問に、俺たちの意思は固まった。
さぁ、反撃を始めよう!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました〜!厳しいと思われた戦いも、少しだけ光が見えてきました…!是非次回も読んでください!