戦争勃発らしい。
最新話更新です!このまま続けて頑張ります!
フブキたちが外に出ると遠くで炎が上がっているのが見えた。たくさんの人が逃げ惑い、辺りは混乱状態だった。ヘラグは振り返り、
「皆さんは逃げてください!ここは国王軍が守り抜きます!」
と言ったが、俺は1歩前に出た。
「俺も戦います。」
「…え?だめですよ!民間人を巻き込む訳には行きません!」
「いえ…力を試してみたいんです…!それに、俺のスキルならみんなの役に立てます!」
ヘラグは困ったような顔を見せた。
「私からもお願いします。」
横にいたユンが言った。
「フブキさんは最近の実験でかなりの能力を見せてくれました。それに、研究にもなりますし。というか、軍に武器を売ってる時点で民間人とは言い難いかと…。」
「大丈夫です。フブキさんは私が必ずお守りします!」
カリンが加えて言ってくれた。
「こう見えて私も回復魔法は得意なんですよ!」
「さて、これで俺が戦うのを止める理由は無くなりましたね。」
ヘラグはため息をついた。
「分かりましたよ…、ですが、ご自身の身はご自身でお守りください!」
「もちろんです!」
そしてユンは戦闘には向かないのでキーンと共に避難することにした。死んだら研究出来ないと、俺にも死ぬなと釘を刺してから行ってしまった。また、ヘラグは前線が不安だと、身体能力強化スキルを使い物凄い速度で走って行った。俺とカリンはヘラグの後を追うように走り出した…が、
――バァーン――
爆音と共に建物の窓が吹き飛んだ。
「…まさか…あそこは…!」
「確か研究所の窓です!急ぎましょう!フブキさん!!」
研究所の壊れたドアの前にユンが倒れていた。
「ユンさん!!」
ユンに駆け寄り、カリンは回復魔法をかけた。
「…カリンさん…私は…大丈夫…です…。それより…キーン教授が…!」
フブキが研究所の中を見ると、倒れ込んだキーンに男が剣を振り下ろしていた。
「武器商人!政宗!!」
空間の歪みに手を入れ、刀を強く握った。
――ガキン!!――
ぶつかった刃から火花が上がったが、俺はなんとか剣の勢いを止めた。
「誰だ!お前!魔族じゃないのか…!?」
男は何も答えなかったがとてつもない殺気を感じた。すると、男の剣が粉々になった。
「なに!?」
「だぁぁ!」
男が叫ぶと粉だったのが剣になり、横振りした剣は勢いよく俺の腹を掠めた。
「っく!」
切り口からは血が出たがカリンが回復魔法をかけてくれたのか、直ぐに治った。すると、
「お前は…!お前は何者なんだ!クソ!頭が痛い!」
男が急に苦しみ出した。
「ぐっ…!クソ…!」
男は窓から逃げていった。俺は突然のことに訳が分からなくなり、その場に座り込んだ。
しばらくカリンがキーンとユンに回復魔法をかけると、2人は意識を取り戻した。
「あ、あいつは!?」
キーンが飛び起きた。
「あの男…人間なのに俺たちを襲ってきました…。何者なんですかね…。」
キーンは俯いたまま、呟いた。
「あいつは…俺の…兄だ…!」
「…え…?」
その場にいた全員が言葉を失った…。
最後まで読んでくださりありがとうございました〜!ついに始まってしまった戦争…。次回もよろしくお願いします!