ユンの研究らしい。
2日続けて更新出来ました!Twitterもよろしくお願いします!笑
「おい、大丈夫か。人間の子供よ。」
目を開けると巨大な獣がこちらを覗き込んでいた。
「…え…ここは…?」
「ガラ地方だが……酷い怪我だな。獣にでも襲われたか…。」
いや、今にも獣に襲われそうなんだが…。その言葉を飲み込み、状況を整理した。
ガラ地方…魔族の田舎の領地か…。なんでそんな所にいるんだ…?一体俺はどうして…、いや………
…俺は誰だ…?
「とりあえず村に連れていこう。怪我の治療をしてやる。」
「え…、どうして…。」
「どうしてって…確かに敵同士だが、お前はまだ子供だし、戦ってるのは大人の兵士たちで、戦わせてるのは金持ちたちだ。それに、人間とはいえ、怪我している子供を放っておけるほど腐ってはない。」
獣の低く、ぶっきらぼうな声の中にはどこか、温かいものを感じた。
「こんにちは〜!」
フブキの部屋にユンの声が響き渡った。
「あれ?ユンさん。どうされたんですか?」
偶然来ていたカリンが聞いた。
「今日は実験は休みって聞いてるんですが…?」
「あー、分かってますよ。でも今日は私の実験に付き合ってもらおうと思って。」
「ユンさんの?」
初めてのことに俺は少し不安になった。なんたって相手はあのユンだ。
「それで、何をすれば?」
「これを見てください!」
ユンは布袋から小さな石を取り出した。
「これは?」
俺とカリンは顔を近づけて石を見た。
「この石は同世界転生石です!名前は仮称ですが…。」
「同世界…転生石?」
俺は石を受け取りながらきいた。
「はい!中にマンドラゴラの力を込めた石です!マンドラゴラは魂を吸収すると言われています。また、この石自体は特殊な魔石で、粉々になると、同じ世界の全く別な場所にまた生成されるんです。」
笑顔で力説されているが、嫌な予感しかしない。
「では、効果を試したいので1回死んでみてください!」
予感は見事的中。
「いや、リスク高すぎでしょ!」
「ふふ、冗談ですよ!」
言ってるのがユンだから冗談に聞こえない。そんなことを話していると…
「大変だ!フブキ君!…とカリンとユンも一緒か…そんなことより早くここから逃げるんだ!!」
「どうしたんですか、ヘラグさん?」
彼はこの国の兵士長のヘラグだ。武器を見に行った時に訓練所を案内してくれた。
「魔族軍が…攻めてきたんだ!」
「え…!」
もしかすると嫌な予感はこっちだったかもしれない。
最後まで読んでくださいありがとうございました〜!ついに事件が起きましたね…。これからフブキ達はどうなっていくのか、是非次回もお読みください!