人間界‐3
進級試験が始まって、1時間経つと、魔女達は順調に青いリボンでラッピングされたお菓子を、手に入れていた。
魔方陣がある広場の近くには、ランクが黒‐5で、エメラルドが1粒ついているネックレスをしている魔女、イエローサファイアが1粒ついているネックレスをしている魔女、マンダリンガーネットが1粒ついているネックレスをしている魔女、ピンクサファイアが1粒ついているネックレスをしている魔女、ダイヤモンドが1粒ついているネックレスをしている魔女がいた。その魔女達は、赤いリボンでラッピングされたお菓子を2、3個ずつ持っている。
「これじゃあ、たらない!」
ランクが黒‐5で、エメラルドが、1粒ついているネックレスをしている魔女が叫んだ。
「ハァ……」
途方に暮れているとそこへ、去年魔女界に帰りそこねた、ランクが青‐0の魔女が、通りかかり「お久しぶりです。魔女様方どうされたのですか?」と、声をかけてきた。
「おぉ、元気にしていたか?」
「はい。それより、学校の先生をしている魔女様達が5人も集まって、何をされているのですか?」
「去年、人間界のお菓子を食べ損ねた学生に、お菓子を山ほど貰ってきてと、頼まれたんだが……この通りでな」
ランクが黒‐5の魔女は、持っているお菓子を見せた。
「そうなのですか。お菓子をたくさん作っている方は、知っているのですがそのご夫婦は、ここではなくて、去年、進級試験の舞台になった所にいるので……、試験中は案内出来ませんし……」
「そうか……」
そこへ、エプロンをしている30代後半の女性が「どうしたんですか?」と、言った後、ランクが青‐0の魔女に気が付くと「あっ、お久しぶりです。魔女様。漸く帰れますね」、と魔女達に声をかけた。
「はい。娘さんご夫婦にも、奥さんにも、あの時は大変お世話になりました。ありがとうございます。あの、大変申し訳ないのですが、娘さんご夫婦にお菓子を作る材料を持って、今すぐ、ここに来ていただく事は、可能でしょうか?」
「それなら、大丈夫ですよ。魔女様が困っていたら、必ずお助けすることになっているので」
「ありがとうございます」
「それでは、とりあえず私の家に、向かいましょう。そこに車があるので」
「奥さんのお家まで、私達が送ります」
ランクが青‐0の魔女は、箒を出現させエプロンをしている女性を箒に乗せると「魔女様方行きましょう」と、言いエプロンをしている女性の家に、向かって飛んで行った。
「ありがとう」
ランクが黒‐5で、エメラルドが1粒ついているネックレスをしている魔女、イエローサファイアが1粒ついているネックレスをしている魔女、マンダリンガーネットが1粒ついているネックレスをしている魔女、ピンクサファイアが1粒ついているネックレスをしている魔女、ダイヤモンドが1粒ついているネックレスをしている魔女は、箒を出現させランクが青‐0の魔女の後について行った。
「赤い屋根の家です。魔女様達は、家の隣にあるお店の中で、待っていて下さい」
10分ぐらい空を飛んでいると、お店に着いた。すると、エプロンをしている女性は急いで車に乗り、娘夫婦がいる所に向かって車を走らせた。
魔女達がお店の中で、15分程待っていると、エプロンをしている女性が娘夫婦を連れて、お菓子の材料を持って来てくれた。
「事情は車の中で聞きました。早速始めましょう」
そう言い、娘夫婦はお店のキッチンに向かって行った。
「ありがとうございます」
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