予定
ここ最近は晴れてさえいれば庭で遊ばせてくれるようになった。家臣の子らだけではなく、何故か下男らの子や本家の子らや他の分家の子らも集められて保育されている。
それに伴ってか外野というか保護者の両親がちらほら見に来ては好きずきにあれやこれやと言っていく…えらく自由な気質な家だと思ってしまう。まぁ、おかげで聞き耳を立てては少しでも為となる情報がないかと集めてはいるのだが。
お、父と母が話している。
「そろそろ、我が家の庭では手狭であろう。どうだ、たまには違った広いところで遊ばせてやるのも良いと思う」
「そうかもしれませぬが、どこになさいますか?家より離れるのはやはりあの子には早いのでは?」
「そうかな、見ているところ中々物怖じないような質に仙法師は見えるが。気は早いのかもしれぬが良きもののふに成りそうな気がする。その為にも俺も励まねば…」
「貴方様は十分に励まれおるように思いまする。日頃より義兄上様達に付いて廻りっては諸事に励んでいるではありませぬか。時折でもこの様に気を穏やかにせねばお身体に悪うございます」
「そうか!気を遣わせてしまったな、俺は大丈夫だ。にして、そなたは心配性だな…そういえば、今度沢玄和尚の寺に父上達と参る予定だ。どうだついでに仙法師を見せたいと思う。そなたもどうだ?」
「わかりました。仙法師を連れて共に参りましょう」
「よし!父上に俺から言っておこう。どれ仙法師をあやしてやろう」
そう言うと父が自分を抱き上げては楽しそうにはしゃぐのであった。