表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/71

邂逅 後

 小太郎らはいかにも古い竹簡や巻物を以て以下のことを説明してくれた。

 小太郎らは山の民と言われる通称 山窩サンカであり、我ら大和の民とは別の民であるらしく古くから交易や細工物、芸能などを生業にしていたらしい。

 そもそも彼らの伝承では元々は大和の民も山の民も同じ民族であったらしいがその中でも荒々しくもカリスマ性が有った一部族が海の民と言われていた部族を征服し混血化したらしい。それが我ら大和の民のようだ。

 すると、小太郎ら直接の先祖で内陸部で交易をしていた部族と混血化した海の民らが交易をめぐり争いとなった。

 すると、まとめていた大和の民の長は争いを仲介し部族を神々の前で住み分けを約束させ山の民らは僻地へと追いやってしまった。

 不満を抱いた山の民らは大和の民の長に訴えた。すると出雲の民らを征服するに役に立てば考えようと言った。そこで山の民らは謀略を用いて出雲の民ら離間させ大戦となる事なく征服させうるに至ったとのこと。その功績を以て山の民らは大和の民の長から表の下級官位戴きながら別に裏世界を統べる「志能備しのび」となったらしい。その際に出雲を監視する部族が常駐することとなったらしい


 しばらくして、外つ海より財貨を多く持った外つ民らが来たらしい。彼らは外つ民の長の命によって我らの土地にある霊薬を探しに来たとのこと。

 すると大和の民の長は外つ民と共に霊薬を探す事とした…財貨と人材を見返りに…

 その際に外つ民らの中に怪しげな術を使う一団がいたらしく、その一団を監視させるのに小太郎らの先祖の山の民を付けたらしい。

 しばらく大和の民らと外つ民らは霊薬を探すために日ノ本を探そうとしてその土地土地の部族らを征服していったとのこと。その際に怪しげな術を使う一団と山の民は間者即ちスパイとして日ノ本に広がっていきコミュニティーをつくって行ったと。


 時は流れ、大和の民らは国を定め長は大王から天皇となり都で落着き始めた頃地方では多くの争いが起き国を乱さんとした者共がいたらしい。そして、山の民の一部の跳ね返り者が新皇と名乗る平将門と結びついたらしい。しかし、途中で山の民らが跳ね返りを説得して二重スパイとして鎮圧したらしい。


 その際に過去の外つ海の民別の外つ海の民の影響を受けた藤原純友を鎮圧することに大変苦労したらしく外つ海の民の危険性を朝廷は理解したらしい。

 更に時は流れ、またもや外つ海の民の影響を受けた平清盛が朝廷を席巻した際に山の民らは朝廷の意向を受けて源義経に近づき鍛え協力して打ち倒したとのこと…


 う〜ん…凄い陰謀論を聞いてしまったかのような感想しか出んが一部に妙な説得力がある…だからこそ陰謀論として成り立つのだろうが…


 「さて、小太郎殿…斯様に大層な経歴があられる貴殿らがどうして自分に会おうとなされたのかお教え願いたい」


 「はは…日ノ本の長き歴史と共に我らも歩んできましたが力ある武士の方々は日に日に増え世を増々乱しております。そして、それを治め得る力は朝廷にはすでになく幕府にも有るとは言えませぬ…また、恥ずかしながら我ら山の民も一枚岩では決してありませぬ」

 小太郎はそう言うと沈んだ顔つきで自分をじっと見てきた。


 「故に、それぞれの山の民は力あると思った武士に近頃は雇われようとしています。そして、いづれ力ある武士が正しく日ノ本を治める様にすることを目的にしています。最も保身の為であるというのもありますが…」

 そう言うと小太郎らまたもや一斉に平服した。

 「仙法師様!我らを導き安寧とした国をお築きなさいませ!!神仏を尊び民を慈しめる長でなければ正しき国とはなりませぬ!故にどうか我らをお雇い下され」


 う〜ん…大層な事を言われたが彼らは結構保守保身の的だな…ただ俗に言う忍者の元祖なのだろう。そう考えると欲しい!凄く欲しい人材だ…


 「小太郎殿…自分は若輩も若輩であるが実に心打たれた話で有った。貴殿らは闇に生き多くの汚れ事を見聞きしそして成して来たであろう…しかし、だからこそ綺麗事とも言える理想に対して真剣であるのであろう…貴殿らが心の底から綺麗事を言えるそんな国を【創り】たい。だからこそ自分に【仕え】てくれ!こちらこそ頼む」

 そう言うと、彼らはさめざめと涙を流しながらハハーと返答した。 


 それから今後について棟梁の小太郎と話していると1つだけ気になることを言われた。彼らの部族の中でも荒くれ者であった棟梁の息子らの一派が出奔し幕府に使える武者と結びついたらしい…


 その何気ない言葉に引っかかりを覚えながら【お話】は進んでいった…




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ