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留守任務 良信

  1481年文明13年 1月 丹羽郡 岩倉城 織田良信


 仙法師が上洛することが決まりその事を聞き及んだ千代が共に上洛すると騒ぎひと悶着あった。なにせ、乱世と言えど3歳の童子が戦に出たという破天荒な振る舞いの後なのだ心配性の千代が過敏になっていても仕方がない…

 さて、仙法師から上洛するに当たってこれからの政略について具申された。それは以下の通りである。


 まず、我が弾正忠家が管理する領域に置いて関所を廃し津料を大幅に減額することを挙げられた。また、合わせて蜂須賀党にはみかじめ料を取ることを辞めさせそれに見合った予算を配給することを決めた。説明によると人と物の往来をより良く流動的にすることで銭が集まりやすくなるとのこと


 次に、国人への関銭と津料に代わる財源として楮や漆などを植えさせその産物を買い取る取り決めをした。また、当面の財源としては賦役を課す代わりに金銭を配給するとのこと


 そして、人足衆と国人の賦役と領民の賦役を以て小牧山と犬山に城を築き街道や道路を整備ように具申というよりも手配された。説明によると小牧山の城を本拠地とし伊勢守家の薫りが強い岩倉城よりも新たな地に城を築き以て人心を改めるのと、木曽路から尾張国中央へと結ぶ街道を繋ぎせいすることで陸運における物流を制するとのことらしい。また、犬山の城は砦を利用しつつしっかりと縄張りを行い美濃への備えとすべしとのこと。尚、その際には我が祖父で仙法師の曽祖父である隠居の織田久長に協力してもらった上に城主として管理してもらうに具申された。

 更に築城よりも町割りを先に急ぐらしく寄子となる国人らの屋敷だけでなくその郎党の長屋や足軽衆の長屋に商人衆の店屋敷もあらかじめこちらで用意するとのことらしい。

 それを以てして、国衆らを常に在中させ監視及び即応性を持たすということらしい。


 他には、先の戦の結果水野下野守貞守を蟄居させ常滑における焼物職人に関する一切の領主権を取り上げ、その他を安堵することで和議を契った新当主 水野下野守賢正を通じて矢作川の水運を管理する鳥居氏を懐柔し服従させることを具申された。

 それを以てに安城松平党の松平左京亮信光(和泉入道)と倅の松平次郎三郎親忠と誼を通じるように具申された。


 う〜ん…中々に数多くの事柄に当たらねばならぬようだがどれを持っても一々最もな説明もされているし方法も具体的だ。我が倅ながら実に見事であると親馬鹿を出しながらも倅たる仙法師の旅路を想うのであった…




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