表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/71

初陣 河内・岩倉の戦い 前

  文明12年 12月末 黄昏時  海西郡河内 荷之上城


 日が昇る前には川を下り切り、我々は津島には着いた。乗船の割振りと統制のための細則を整えている間に佐治水軍の商船に偽装した船が到着し乗り込んだ。

 そして一旦、大野城に移動し休息を取った。そうして正午頃から少しずつ船を桑名沖へ向かわせた。そうして各船が揃った夕方頃に行動を開始し、薄暗くなった今上陸を完了した。

 物見の報告によれば荷之上城は手薄で最低限の人員しか配備されていないとのこと…


 「これより荷之上城へ向け進軍しこれを奪取する。事後の行動にかかれ」


 そう言うとイ小隊が前進を始めた。我々の足軽衆は足軽四人に対して武士の足軽組頭のファイブマンセルで言葉の通り伍を組ませてる。それらが十組で1個小隊としている。そして今は小隊がイ、ロ、ハの3個ある。


 作戦としては、まずイ小隊が先行し荷之上城にコンタクトする。また他の二小隊は機を計り前進し場合によっては目標付近で伏す。コンタクトの際に城に対して

「塩畑城包囲中に河内方面へ清須勢らしき数不明の1団が向かっていると情報を得た。服部殿と我が主 伊勢守様が協議し我らの陣営で足の速い我々が先行しつつ服部党の一部らを援兵として送られた」

と口上する。そうして直ぐ様に開門するならば入城し二小隊と共に挟撃をする。もし疑われ開門されず服部党を待つ等と言われた場合は、機を計り他の小隊がイ小隊に襲いかかるふりをしてイ小隊を攻撃しイ小隊を入城させる又は便乗して打って出て来るようであらば二小隊を下げ入城させる。尚、両案が遂行出来ないようであれば速やかに制作した【小筒】で強襲する予定だ。


 イ小隊を先行させコンタクトと開始ししたと物見の伝令が伝えてきた。それを聞き前進する速度を速めるよう命じた。その頃…


 「開門願う!我らは伊勢守様と服部殿より命ぜられた援軍である。清須勢よりこちらの方へ幾ばくかの一団が向かっているとの知らせを受けその結果参った。服部党の一部も共に向かっておる。いざ!!」


 すると城方は上役に掛け合うとし待機をした。暫くすると門が開き中に入れる事となった。そうして事前に決めておいた合図を行い入っていくのであった。


 物見より入城できたとの知らせを受けた。少しずつ歩調を速めながら近づき目視できるところで傘型(鋒矢)に展開し突喊した。あたりは既に日が沈み縹色の空となり最も見づらい時刻である。そんな中、突如として現れた一団に城方は遅ればせながらも矢を斑に放ってきた。


 イ組は突喊の声を聞き其々が事前に決められた行動に移った。入城した際は小隊をバラバラにされ2〜3人の組にバラされながら城方に配置や手伝いなどを申し出ていた。そして、外の喧騒と共にあるところでは火を放ち、またあるところでは返り忠(裏切り者)が出たと叫びながら敵方を斬りつけた。小隊の長は城方の長と共にいたので斬りつけ伍を作るよう指示しながら行動をしていた。そうして、混乱を作り上げながら誰ぞが門を開いた。

 

 開門を確認し突入を命じた。中ではすでに混乱につぐ混乱な様子ではあったが伍になっていたり又は2〜3人の組が伍を作れと言いながら少しずつ敵方を斬りつけて行く様子が展開していた。自分の伍の周りを掃討しながら自分を担いでいる武者に投降を呼びかけるように命じ武装を解くように叫ばした。


 裏表の門を固めた。城方の武士らしい者や戦えるような者は殆ど斬られ残ったものはたまたま来た百姓やとても若い小物のような者のみであった。それ故に、城の戦力が無効化できたと判断し燃えている母屋だけでなく塀や門なども放火した。百姓達に蔵の物を我々が持っていったことにして持っていくように提案し我々は船へと急ぎ長島城へと急いだ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ