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成長
ここ暫くで、だいぶ思考を保てる時間の数と長さが増えてきたように感じる。体も這うぐらいはできるようになったし、耳もだいぶ発達してきたのか言葉を認識できるようになった。
そこで、ここまでの見聞きした情報をまとめる。どうやら「自分」はセンホウシと呼ばれ言われている。また、父親なる人と接触する機会が幾度もあり観察したが、かなり若い男で適度に鍛えられており、時折墨の香りがする。話を聞き立てていると、ここは尾張国であり守護武衛家即ち斯波氏に仕える守護代織田家の一員であり春日井群田楽城を本拠地としながら絶賛勢力拡大のため駆けずり回っているらしい。
ん〜…武衛家が出てくるあたりは…室町時代であると思われるが如何せん室町時代でも後期か末期かわからぬ。少なくとも織田信長公に転生であるなら「センホウシ」ではなく「吉法師」であるはずだが…もしかすると、織田信長公の父である織田信秀公なのかもしれぬ…そうとなれば短命だったはずだ。死因は伝染病とも卒中か心筋梗塞とも言われてたはず…不摂生と衛生には気を配らねば。
ともかく少しずつでも成長をせねばなるまい