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普請

  1480年文明12年 8月 塩畑城外 萩原川辺


 大橋大和守定安と【はなし】をした後、幾らかの清酒を渡した。それを大和守が主な津島商人を集め会合し自分のの要求を伝え相談した後、津島衆との合意となった。

 いやいや、あそこまで食いつきが良くなるとはな…手付きの銭として5000貫も貰えたのには驚いた。ただ、妙に自分は気に入られたらしく「手前の養子にならぬか?おぬしは武士より商人の方になりたくはないのか?」と言われ、熱心に誘われたが流石に固辞した。すると、残念そうではあったが大橋家として精一杯の支援と協力を申し出てくれたので十分以上の成果となった。


 さて、今自分達は何をしているかというと、貰った銭を使い萩原川のほとりに倉庫兼酒蔵を作り船着き場を設ける普請をしている。父 良信に許可を取り大橋大和守に人夫を集めてもらい、じいであり家宰の平手監物英秀に指揮を取ってもらった。しかも、かなり急かした故にほぼ昼夜問わず普請をしてもらっている。それ故に、今ここは通常より異常に多くの人夫たちで賑わいを見せている。そして、それらを目当てにいくつもの屋台や行商人で賑わっている。

 それに目をつけた自分は泥合戦の子らを集い家中の若年小者や若年家臣を率いて屋台出すことにした。商人の真似事に不満がある家臣と小物もいたが…農民の子らを取り纏め目的を達成するということは戦に通じるものがある。取り纏められず目的も達せられぬものに戦などできぬ。故に、今から行うの商人の真似事ではなく戦であると言いくるめた。更にその後、よく纏め結果を挙げた者には褒美を用意してあると言えばそれなりは士気も上がっていた。また、一日毎にも結果を比べ褒美を出すと約束をし競争心を煽った。

 さて、屋台として何を出すかというと…「鰻、鯰、泥鰌の蒲焼き」と「奈良茶飯もどき」と「竹串蒲鉾と天麩羅(薩摩揚と通常)」だ。

 今の所は真新しいものであるし人夫だけではなく他の屋台の者や行商人、旅人や家臣まで集まりこれまで以上に賑わいを増やしているように見える。

 ぐふふふ…これで少しでも人夫代を回収してやる。決してケチではない!世の中は弱肉強食しほんしゅぎなのだ。

 


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