外出 中 泥合戦1
1480年文明12年 6月 中島郡 某村郊外
関と辻村に話をつけ手付金を渡し村を辞して家へと帰ることとなった。
村からでてしばらく行くと川辺に何人もの童が集まり泥団子を作り騒いでいた。どうやら雪合戦のように泥で泥合戦をするようだ。
「ほう。泥合戦か…俺も子供の頃はしたなぁ。新助の野郎が泥に石を詰めやがって、痛い目にあったのを今でも忘れん」
「まさのりよ。なにをつぶやいている。けんぶつするゆえかたぐるまをせい」
「えっ!?は、はぁ…わかりました。ん〜されど右軍は部が悪いのでは?左軍は倍ほどいますぞ?すぐに終わってしまいそうですが…」
「まさのりよ。お主もまだまだだな。右軍が勝つであろう」
政則は怪訝そうにしながら泥の飛ばぬ場所に移動し見物することになった。そして、合戦の推移を見守った結果…
「まさのりよ、じぶんがいったとおりになったであろう?」
「不思議なことですが、そのようですね。しかし、なぜ戦う前からお判りになったのですか?」
「それは、さぐんはにんずうが おおいことにおごっており うぐんはすくないゆえに ひっしであった。また、さぐんは しゅうだんとして まとまりがなく、ぎゃくにうぐんは しゅうだんとして まとまるために やくわりぶんたん すらしていた。げんに はじまるちょくぜんまで どろだんごをつくりづけていた ものがいたではないか」
そう説明すると政則は感心し納得した表情でこっちを見てきた。
「まさのりよ、じぶんはかれらとはなしをする。ねぎらうためにこれでうりなどかってきてくれ」
そう命じた後、自分は童たちに近づいた




