準備
文明12年5月 清須城下 弾正忠屋敷内
「初にお目にかかります。溝口富之助信勝にございます」
「某も初にお目にかかります。簗田四郎左衛門政則にございます」
「仙法師様。爺とこの2名に何ぞご用命下され」
そう言ったのは、我が弾正忠家の家宰であり柔和で人当たりがよさそうな平手監物英秀であった。文を送った後に元々製作事業にいた英秀が父より傅役に任命されたらしい。通常ならば傅役は7歳前後に付けられるものなのだが、教育半分秘書半分ということで付けられたとのことだ。
また、信勝と政則を観察する限りは、前者は何故か器用貧乏で苦労しそうな気がする。後者、すばしっこく容量が良さそうな感じを受ける…
「では、さっそくだが ねがいたい ぎがある。じぃ、いものかじと かたなかじ にそうだんしたいことがあるので てきせつなしょくにんをえらんでもらいたい。また、ぜに20かんていどのよさんで ひとけのつかないばしょに こやをふたつつくってもらいたい。ひとつはただのこやを、もうひとつは そこにひと ひとりぶんほどのあなをつくってほしい。」
「のぶかつ、まさのり。ヨモギ、サヤク、シヤキ、ニガクサ、かいこのふんをあつめてくれ。そのあとせっかいとふんにょうをかいつけてきてほしい。そして、こやができたら、きゅうしゃのまわりの つちをあなをほってあるほうに それらをまぜておいてほしい。くさやつちを あつめるさいは にんぷをやとってもよいの でぜにをわたしておく。5かんていどがよさんだ。だだし、それらをあつめるさいは おなじにんげんをやとってはならない。さらに、まぜるさぎょうはおぬしら ふたりだけでおこなってもらう。そしてこのことをほかのだれにもはなしてはならない。」
取り敢えずは以上であると言い。質問があるかどうか聞いたところ無いと言われたので早速とりかかってもらった。これで直接的な文字通り「爆発」的な力を手に入れられるだろう。