温泉行きたい
人生つまらないと思ったら、もう職場に辞表を叩きつけていた。
稼いだ金は貯金となって私の手元に残っている。
だが、それをバーッと使いたい気分だ。
「……旅に出たい、温泉入ってのんびりしたい」
思考は部屋の中で駄々洩れだ。
でも、おかげでしたいことは決まった。
近くの温泉宿を即行で調べて、気づいたときには1部屋予約を入れていた。
疲れた時にはこれに限る、そう言われていたのを思い出す。
私にとってはビールでも、おいしいお酒でも、どこかの美容院でもなく、温泉だった。
人生は疲れるときがある、そのとき、私のように何かがあればいいと、幸せだと思った。




