第十話 麦畑からの脱出。
33-4 PVありがとナス!
「どこだここ!?何が起きたんだ?」
がばりと立ち上がり前を見るとそこは明るい月光の照らす平原であった。今立っているとこれは少し小高いところのようで、少し遠くに土で踏み固めた広い道のようなものが見える。しかし俺ははっとして後ろを見た。怪物がまだ追いかけてきているかもしれないと思ったからだ。しかし
「・・・なんやこれいったい?」
後ろを振り返って見た光景に驚いた。あたりは月明かりが照らす中、そこだけ楕円形に切り取ったように10メートルほどの陽炎が立たっていた。そして空間の向こう側は、先ほど走り抜けてきた夕日の麦畑が広がっていたからである。まるでそこだけがぽっかりと世界から切り取られたように、その夕日の世界が広がっていた。
「・・・ああ異世界特有の何かやな。もう驚かんぞ。ん?あっ!そう言えば怪物くんは!?」
銃を構え、あたりを見渡す。気配、音、何もない。虫の声が聞こえるだけだ。あの怪物はどうやら麦畑からは出てこれないようだ。俺はほっとする。もうチェイスはお腹いっぱいである。
「もう訳分からんが、とりあえずもう少しここを離れよう。気味が悪いしな。」
俺はすぐにでも座り込みたい衝動を抑えて、先ほど見えた道へと歩いて行く。
「あ^もうくそが!足が痛くてたまらねぇぜ」
ぶつぶつ文句を言いつつ、10分ほどゆっくり歩いて行くと、丘から見えた道へと到着した。近くに来てみると案外道幅が広い。15メートルぐらいある。
「結構広いな。車がすれ違うくらいは余裕やろ。あと割と新しい轍があるな、それから人の足跡、これは馬のひずめ?痕跡からみるに、結構使われているみたいやな。」
ざっと足下を調べて、この道が人の生活圏へつながっていることを確認した。
轍の具合を見ればなんとなく進行方向が分かる。これはトラックでも大八車でも変わらない。
「轍の具合をみれば行きが多いのはどうやら東。人の多い方と少ない方、問題はどっちに行くかやな。」
どちらがいいか。ふむ、今の現状を考えると少しでも情報が欲しい。そのように考えれば情報も集めやすいしよそ者も目立たないほうが今はいいだろう。
「今はとりあえず情報探しやな。よっしゃ!とりあえず人の多い東に向かうかね。」
考えをまとめた俺は街道に沿って一路東へと歩き出した。
毎晩寝る前に考えていたネタがもう無くなっちゃったゾ・・・(無計画の極み)