第七話 初魔法です。チートはありません。
何かポイントが入ってて嬉しかった(小並感)ありがとナス!
目が覚めた。体の感じから2時間ほど経っているようである。
「ああ、体バキバキやなぁ。いたー。」
硬いベッドでは体が痛くなる。体をほぐしながら、上体を起こす。小屋の中は入った時と変わらず古い木の匂いが漂い、埃に夕日が反射していた。
「ホンマに夕日が沈まないな。不思議だけど今はありがたいわ」
沈まない夕日に疑問を抱きながら立ち上がる。あかりがまだあるなら今のうちに小屋の中を漁ってみるか。
「何かないかなぁっと。おっ食器棚やな。あけたろ!。」
入るときは分からなかったがかまどの近くに食器棚があったようだ。中を漁ると、コップと皿、蓋つきに鍋が出てきた。
「大発見!これで水汲めそうやな。表で汲むか。」
俺は早速小屋の外にあった湧き水に向かう。湧き水が湧いているところは4メートル程の池のようになっている。夕日に照らされて見える池の底ではこんこんと水が湧いているのが見えた。
鍋の取っ手を持って水をざぶりと汲んで見てみる。
「十分綺麗そうな水だわ。これなら煮沸するだけで十分だな。」
俺は一度水を入れた鍋をかまどに置き、薪を探しに行く事にした。小屋の周りは所々小さな灌木が生えており、太いものは多くないが薪には困らなそうだ。サッサか集めて小屋に戻りライターオイルを少し撒いてから薪に火をつけた。
「おおいい感じ。素人でも簡単に着くもんやなぁ。」
パチパチと燃える火へ鍋をかける。
「あとは沸騰するのを待つだけだな。」
時折薪を動かしつつ火を眺めていて、だんだん飽きてきたせいかこんなの魔法でできたらいいのにと思い、そこでふと気がつく。
「そういや複製とかいう魔法があったな。飯はもうカ○リーメイトしかないんだけど、食い物でも複製できるんか?」
俺は早速カロリ○メイトを取り出し、複製の魔法を使う。脳裏に浮かぶ何か(曖昧)に従い魔法をつかう。
「複製せよ」
この世界に来た時に流れてきた知識の通り魔法がしっかり発動した。ちなみに言葉は雰囲気で意味は無い。体から何かが抜ける感覚があり、手にカロリーメ○トが二つあった。
「おおすげぇ。まさに魔法やな!」
自分の初魔法にちょっと感激。さてこれでどれだけ魔力が減ったか見る。
「ファッ!?あと3しか魔力ないやん。おお、危なかった。もし魔力ゼロになったらどうなるんだろう。やっぱ体力が削られるんやろうか?この消費量ではそうぽんぽんもの増やすのに使えるもんじゃないみたいやな。」
そうして初魔法に遊んでいるうちに、鍋の湯が沸騰したようだ。俺はたっぷりの熱い白湯とコピーしたカロリーメイ○をぽりぽり食べながらしばし時を過ごした。