第五話 麦の丘を越えて
そろそろ話が浮かんでこなくなったゾ(無計画)
2時間後
四方を見渡せば麦畑ばかりである
「どこだここ!?だれかぁー!だれかいない!?」
叫んだところで誰もいないのは明白であった。少し小高い丘の上を金色の波が続くだけである。
「麦畑ってこんなでかいのか?神さまの話が本当なら中世レベルでこんなもん作れんのか?」
周りを見渡す為にもとりあえず丘を登らないといかんな。でもちょいと疲れた。
「ここんとこトラックの運転ばかりだったから、足にくるわ...。はぁしんど」
日頃の不摂生を怨みつつ、立ち止まる。夕焼けの麦の丘は綺麗だ。登ってきた方を見れば延々と地平線まで金色で、幻想的な光景が見えた。そしてふと気がつく。
「あれ、もう2時間ほど歩いたけど夕日が落ちないな。」
異世界に落とされて結構経ったが一向に日が暮れない。
まぁこちらとして暗いなか歩きたいわけじゃないので大助かりである。
「やはり異世界は1日の長さが違うんやろか?」
少し休むと足の疲れが取れたのでもう一度丘の上に向け歩き出す。小一時間かけて丘の上に着くと周囲一帯が見渡せた。登ってきた東と南の方は遥か遠くまで麦畑で他のものは見えなかった。北には麦畑が崖で途切れ、その先は海だった。こちらも何もなさそうだ。西に目向けると麦畑の途切れその先は平原になっているのが見えた。
「お?なんか人工物が見えるな?」
金の波が途切れたところをよく見るとポツリと何かがあるのを見つけた。どうやら石作りの建物のようだ。
俺はそちらに向けて麦の坂を下りて行くとだんだん建物の様子が見えてきた。
「こりぁ古そうな建物だな。しかも人の気配が全然しないわ。」
見つけた小屋は遠目に屋根が苔むして相当古そうな建物であった。また長く人が出入りしていないせいか入り口は草に埋まっていた。しかし横に水の反射が見えたから湧き水が湧いていそうだし、屋根もしっかりしているから雨露はしのげそうである。人気がないので、当初の人と会うという目的は果たせないが、ちょっと休みたい。俺は小屋に向けて歩き出した。