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なんやかんや(省略)

作者: 草月叶弥

省略は宇宙の真理です!


出会いは最悪最低だった。

企画立案、進行方法、全てにおいて意見が対立する。

「だからっ!先にこの案件終わらせないと次に繋がらないでしょう!!」

「それをする前にこっちが先だろう!期日がいつまでだと思ってるんだ!!」

お互いが自分が正しいと思っていて、引くことを知らなかった。

「気にくわないっ!」

「気に入らねぇ。」

能力的には互角。それがさらに対立を深めることになった。



******************·*********·


なんやかんやある感じ(省略)


****************************



「こんなことってっ……!」

ぎゅっ、と手を強く握りこむ。

大型の契約を最後の最後で他社営業に横からかっさわられた。

内容的にはほぼ同じ。いや、こちらの方が勝っていた。

向こうの営業担当に言われた理由は一つ

『課長がね。女の営業なんて信用できないって。

 私としては君のプレゼンの方が良かったと思ったのでそう言ったんだけど駄目らしくてね。

 一緒に仕事をしてみたかったんだけど、申し訳ない。』

その言葉は多分嘘ではなくて…反論すら出来ずに会社に戻ってきた。

「断る理由が“女だから”なんて時代錯誤にもほどがあるわよっ!」カツカツと足元から小さくヒールの音が響く。

音に合わせるように、萎えて折れそうな心を憤る事で無理矢理奮い立たせる。

そうでなければこの後の『報告』という名の拷問に耐えれる気がしなかった。

たどり着いた小会議室のドアをノックしようと伸ばした手が、微かに震ええているのに気付き、ゆっくりと深呼吸をして震えが止まったのを確認してからノックをする。

小会議室の中にいたのは部長と課長、そしてアノ男。

ーー無様な姿を見せる訳にはいかないーー

声が震えないように、感情的にならないように、出来るだけ事実のままに顛末を報告する。

報告を終えると上司二人は怒ることも詰ることも無く、部長の耳打ちに課長が頷き、

「内容は分かった。通常業務に戻りなさい。」

と言って、すぐに部屋を出て行った。

言われたことは全て伝えた。後は会社の判断待ちである。

小さく溜め息を吐いてから、一度も声を出さず帰りもしない男を睨み付けた。

男が出ていった後にサッと片付けをして鍵を戻して通常業務に戻らなければならないのだ。

声をかけようとして…止める。

中々動こうとしない男を無視して片付けを始めると、背後から声がかかった

「悔しくないのか?」

呟かれた言葉に、身体中の血液が沸騰するかと思った。

「悔しくないわけ!ないでしょう!?

 コツコツと些細なことでも引き受けてっ!相談に乗ってっ!信頼関係も築けてたと思ってたのにっっ!」

一度吠え始めたら止まらない。

歪む視界も止められない。

「女だからダメなら初めから断りなさいよっ!」

あぁ、もう駄目だ。

一度流れ始めた涙は。男の前だというのに止まる気配を見せない。

ヤケになっていたのも事実で、そのままわんわんと子供のように泣いてしまった。

視界の端に男が困っているのが見えるが知ったことではない。

そのまま大泣きしていると、突然、顎を捕まれて溢れる涙を手にしたハンカチで乱暴に拭われた。

冷静な自分が

“そんなのじゃ止まらないわよ…”

と、思っていると、そのまま抱きしめられ、キスをされた。

ちゅ。とか可愛い感じでは全くない。


がっつりしっかりねっとり、された。


残った理性が抵抗をするがたやすく押さえつけられ、思う存分貪られた。

ぴったりと被せられた口唇。

舌を吸い上げられ、上顎を擦られると思わず鼻から声が抜けた。

強引だが丁寧なキスに翻弄され、思わず男にしがみついた。

それが更に深い口づけに繋がり、離れた時には涙は止まっていたが酸欠で椅子に座り込んでしまった。

そのまま声をかけることもかけられることもなく、男は会議室を出ていった。


それが、一回目



****************************


そのあといろいろある(省略)


****************************




「いい加減にしなさいよ!」

犬猿の仲なのは相変わらず。ただ、会社で男からの接触が増えた。

しかも良くない方向に。

それに比例して、打ち合わせ。と称した飲み会に男が居ると分かると理由をつけて参加を見合わせるようになった。 

拒否できない飲み会ではできるだけ酔いつぶれないように気を付けている。

それもこれも、今!ここで!!不埒なことに及ぼうとしている男のせいだ!!

今日も資料を集めに書庫に向かっている途中で給湯室に引っ張り込まれた。

「何が?」

「用もないのに仕事の邪魔しないでっ」

「してないだろ。」

「ふざけないでよっ!!」

男の飄々とした、態度に沸々と怒りがわいてくる。

大声で吠えてやりたいが、ここは給湯室だ。

出来るだけ冷静に、小さな声で…と自分に言い聞かせる。

「仕事以外で私に関わらないで。」

「やだよ、バーカ。」

「んなっ!?」

思わず踏み出した右足と左足の間に膝を入れられ、思わず殴り付けようとした両手を絡み採られ、壁に押し付けられる

「お前だけだよ、好きなのは。

 初めって会った時から、お前しか見えてない。」

そう言って“雄の顔”をした男と、混乱の極みにある“私”は、2回目になるキスをしたーーーー



 


おしまい!!


続きは貴女の心の中に……(丸投げ)

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― 新着の感想 ―
[良い点]  生理的に会わない人に好かれるケースはよくあります。 [一言] 私なら逃げます。
2016/02/01 19:04 退会済み
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