七の曲〜マイペースだなぁ?!〜
「僕たちは」
「偉大なる」
「「次期魔王候補者及び魔王軍第六部隊隊長様の忠実なるしもべ」」
「僕はシータ・バース」
「僕はガンマ・バース」
「「よろしくねー」」
シータ・バースと名乗った少年は金色のセミロングで黒い瞳だ。右目の下ら辺には黒で雫とギザギザとした模様が描かれている。青のロングベストに黒のシャツに黒のカーゴパンツ。両腕の中間辺りから紺色の長い手袋をしており、指先が出ている。ヒールが3cmほど高い灰色のブーツを履いている。腰と左腕に銀の鎖を巻きつけている。
一方、ガンマ・バースと名乗った少年は銀色のショートでこちらも黒い瞳だ。左目の下ら辺にシータと同じ模様が描かれている。服も同じで色違いなだけだ。黒のロングベストに灰色のシャツに灰色のカーゴパンツ。両腕の中間辺りから紺色の長い手袋をしており、指先が出ている。ヒールが3cmほど高い青黒いブーツを履いている。腰と右腕に銀の鎖を巻きつけている。
この2人は双子なのか。鏡に写したようによく似ている。それに2人の口元からチラチラと鋭い牙が見え隠れしている。
「よろしくー!」
「よろしく言うなこのバカ!」
敵らしい2人によろしくと言ったユーリの頭をはたくナオ。ユーリが頭を押さえて涙目になるがナオが合ってると思う。うん。
「おもしろーい」
「でもさー」
2人は手に武器を持つ。シータは短剣(逆手持ち)、ガンマはランスだ。
『魔王』という言葉に2人は身を固くした。
『ALUTAPARN』にも『魔王』は存在した。魔物を操る異形者として。『ALUTAPARN』でプレイヤーが倒せない絶対的強敵として『カミサマ』と『魔王』があった。『カミサマ』と『魔王』は対なるモノ。絶対に倒せない…いや倒してはいけない存在である。
倒してしまったら『ALUTAPARN』の世界が一方に傾いてしまい、崩壊する……という設定事項がゲームにはあった。だから、裏側の『魔王』だからといって倒してはいけないのだ。『カミサマ』もしかり、倒してはいけない。
今回の頼み事に『魔王』を倒すは入っていないのでいいと思うがナオはカミサマを倒す気だ。
次期魔王……何かが引っかかる。
2人はクスクスと嗤い、武器を2人に向ける。
「僕たちの宴を」
「邪魔したんだから」
「「当然の処罰は受けてよね」」
ナオとユーリは武器を構える。
「お前らは次期魔王候補者の部下なんだよな?」
ナオが問うと2人はそれがどうしたと首を傾げる。
「なんでこんなことしたの!?その人のため!?」
ユーリが叫ぶ。怒りがこもっている。それに2人ははたまたそれがどうしたと首を傾げる。
「そうだよ」
「あの方に」
「「喜んでもらうため!!」」
バッと2人が2人に向かって走って来た。
ガキンッと両者の武器が交差する。ナオはシータと、ユーリはガンマと激しい攻防戦を繰り広げる。
「炎!」
ボウッとシータが炎をナオに向かって放った。それをナオは紙一重でかわすと大剣を振り回し、シータの短剣を弾こうと図る。がそれを察したシータはサッと空中へ飛び、タンッタンッと地面に手をつけ、後方に後退する。
「水!」
バシュッとガンマが水をユーリに向かって放った。それをユーリは2本の刀で切り払うとガンマの懐に入り込むと刀を振った。がそれに気づいたガンマがランスで刀を防御し、そのまま、ユーリの武器を弾くと後方に後退する。
後退し、まとまった時、シータとガンマは再び、笑い、何故か武器をしまってしまった。
「??」
「な、なんだ?!」
驚く2人にシータとガンマは楽しそうに笑って言った。
「君たち面白いから」
「処罰しないであげる」
クスクスと笑う2人。そして、瞳を細めて言った。
「代わりに」
「報告報告〜」
そう楽しそうに言ってシュッと飛ぶと消えてしまった。2人の突然の行為に2人は呆然としていた。
「………なんだったの」
「さぁ」
結果、めちゃくちゃマイペースな敵だった。
***
翌朝、ナオとユーリは村の人達とおじいさんにお礼を言われた。頼まれ事のお礼にと食料をもらった。だが救えなかった人は救えなかった。それをナオよりもユーリが気に病んでいた。それに村の人達が大丈夫だと慰めていた。
2人はここから少し離れた所に都があるというのでそこへ向かうため、彼らに別れを告げて旅立った。
ウチの中で物語はほぼ出来上がってるんですけど……キャラそろそろ増やします。敵キャラじゃないキャラ、仲間キャラを!そろそろ!