七十三の曲〜魔法に好かれた少年と魔獣に好かれた青年〜
「大爆発っ!」
ルルが杖の先を向けるとそこにドゴンッ!と土煙が舞い、大きな爆発が起こる。一発KOされる敵が数名。だがまだまだ戦う意欲がある奴らが多いようだ。バッと槍を持った男が槍をルルの目の前に向かって突き刺した。
「え?!」
「…ペガサス」
バサァと翼がはためく音がしたかと思うとルルが男の前から消えた。
「えええええ?!」
男も敵達も仰天である。なぜならルルは翼の生えた白馬、ペガサスに乗って空を駆けていたからである。
「すっごーい!こっからやっちゃお!炎剣!」
ルルが馬上から杖を敵に向かって振り上げるとそこに炎の剣が無数に現れ、彼らを気絶させて行く。と弓を持った男がペガサスに向けて矢を放とうとしていた。
「落ちろ!」
「させるか。犬神、矢を食え!」
その声と共に矢は大きな犬にパクりと食われてしまった。ついでに言うと矢を放とうとした男は犬に驚いて撃沈した。
犬神の頭をよしよしとソラリスが撫でる。頭上からルルが「ありがとうー」と叫んでいるが魔法の音が響いているため聞こえているか怪しい。
「おらぁああ!!」
短剣を持った男がソラリスに突っかかって来た。それをひらりと交わし、ソラリスは杖でカツンッと彼の手首を叩く。突然のことに男は短剣を落としてしまった。そこに犬神の強烈なパンチが食い込む。
「光、白昼夢想、吹雪!!」
ルルが馬上から連続で魔法を放つ。それらに対応が追いつかず、気絶する敵達が増えて来た。と残り2人になったようだ。残りは剣を持った男が2人。ペガサスがルルを乗せ、ソラリスの近くまで降りる。ソラリスは犬神を消し、構える。
「ルル?」
「待ってました!」
バッと両者が駆け出す。ソラリスが振り下ろされた剣を杖で防御すると杖を押し返し、ギリギリと男首を締めて行く。が男も負けちゃったいない。今度はソラリスが押され出した。男が勝ったとニィと嗤うがソラリスが鼻で嗤った。
「空骸」
ズォォオとソラリスの杖の先から骸骨が現れたかとおもうと男の剣を引っぺがし、男を担いで木の方へ放り投げた。男は木にぶつかって気絶した。ソラリスは骸骨によくやったと返し、言った。
「魔法は武器より強し…ってな」
ルルは剣でペガサスの翼を斬ろうと剣を振り回す男からペガサスに乗って逃げていた。が男は蹴りを着けたいらしく、大きく跳躍するとルルに襲いかかった。ルルは驚くペガサスをなだめつつ、杖でガードする。男はそのままルルをペガサスの上から引きずり落とそうと力を込める。がペガサスが大きく足を上げ、男を引きずり戻す。そこにルルの魔法が炸裂した。
「雷夜!」
ズザンッ!と男に雷が落ちる。男はビリビリと感電したようで気絶して倒れた。ルルはよしよしとペガサスの頭を撫で、言った。
「勝ったのはボク達だったね!」
ソラリス&ルル、殲滅完了




