五十三の曲〜輪廻転生の宿りき魂の産声〜
ーカツンッ!ー
響き渡る甲高い音。その音が反響する。
歯車だらけの空間は時間も方向も全ての思考を掻き乱す。歯車はなおも動く。止まることなく。
「君は」
声の主に振り返る。声は悲しそうな顔をしていた。
「此処に来る運命じゃない。早く!」
声の主は強く、音の主を突き飛ばした。そこには鏡。音の主は驚きながら声の主を見やる。
「……ハッピーエンドはもうすぐ」
そして、音の主は鏡に消え、鏡も消えた。
「いいのかい?」
「……」
別の声に主はうつむくだけだった。
***
歌声が聞こえる。
嗚呼、誰の声だっけ?思い出せないなぁ。さっきまで覚えていたはずなのに。
まぁ、いっか。きっと、『大事な思い出』だったんだろうな。
さぁ、歌おう。『身代わりの唄』から『***の歌』を。
***
「それは?」
「これは世界の終末を司る、人形だ。名前は…【終末人形】だな」
「そう…」
「そっちはどうだ?」
「出来たよ」
「後で見せてくれるか?」
「うん…!」
【終末人形】…とても精妙に作られた人形。だがこれは一見すると歯車の形。渡された者にしか人形の姿を現さない。さあ、エンディング、結末を迎えるキャストは誰?
半分の中間…折り返し地点が見えて……!来たぁああ!が頑張ります。




