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三の曲〜…………マジですか…〜

穴に落ちた2人が向かった先はカミサマの言っていた裏側の世界だった。目に映るもの全てが自分達が遊んでいたゲームそのものだ。


「イッタ…あのカミめ…絶対殺す…」

「なおみん顔怖いよー…てか、ウチらの今の格好ってさ、アバターの奴だよね」


怖い顔をした奈緒実に言いながら悠龍が自らが着ている服を摘まむ。そうなのだ。カミサマがこっちがいいだろうと変えたらしく、髪色や髪型までもが現実リアルとは違い、ゲームのアバター仕様になっている。


「だね。“ナオ”か…」


そう呟く奈緒実。今の奈緒実は“ナオ”だ(以下ナオ)。

薄い黄緑の長髪を一本に結い、ポニーテールにし、結び目には緑のリボンをしている。髪の一束だけが緑色をしており、瞳の色も綺麗な緑色だ。服装はヘソだしタイプの服(お腹の部分がたいへん広くさらされている)で袖がトランペットスリーブと呼ばれるタイプだ。胴の部分が白で袖の部分が肩から手首に行くに連れてだんだんと黄色が濃くなっていっている。右腕の中間辺りには黄緑色の布を巻きつけている。下は少し濃い茶色のショートパンツでベルトをし、ひし形などの形をしたチェーンを巻きつけている。靴は膝の近くまであるロングブーツで色はとても濃い茶色だ。

首に黒のチョーカーと十字架のネックレスをしている。


「ウチは“ユーリ”!」


悠龍が叫ぶ。今の悠龍は“ユーリ”だ(以下ユーリ)。

薄い黄色の長髪をお団子結びにし、結び目にはティアラを模したシュシュ的なもので結んでいる。瞳の色は海のように深い青色だ。服装は胸元が少し大きく開いていて少し大きめのフリルと胸元には小さな薄いピンク色のリボンがついた腰部分まであるあまりフワフワとしていないタイプの白いワンピースでワンピースの端がリボンと同じ薄いピンク色をしている。袖と胴体部分は完全に離れていて腕の中間辺りからウィングドスリーブという翼のような袖になっており、色は胴体と同じく白で手首の部分が薄い桜色だ。腰近くで大きめのベルトをしている。その少し下(太もも辺り)から桜色をしたレギンスを履いており、靴は赤茶の短いブーツでヒラヒラとした布がついている。

首に妖精の羽を模したネックレスをしている。


そして2人のゲームの荷物はベルトにつけられた小さなポーチに全て収まっているらしく、本当にゲーム感覚だ。2人の近くには自らの武器が置かれている。

ナオは立ち上がり、自らが使う武器、“龍神りゅうじん”(以下大剣)という彼女の丈に合わない大剣を持つ。少女が持つには少々大きいし重たさそうな大剣を軽々と持つナオは大剣をマジマジと見る。


「なおみんどうしたの?」

「いや、メッチャ軽く持てたなって…」

「そりゃあなおみんが“大剣士だいけんし”だからでしょー」


「もうー」と笑うユーリ。そう、実際、ナオのメイン職は“大剣士”という剣士よりも強く大きな武器を装備できる職業だ。

ユーリは「よっと」と言って自らの武器を持って立ち上がる。ユーリの使う武器は2つあり、1つ目が“名刀めいとう 氷咲とうさき”(以下刀)と2つ目が“妖刀ようとう 綾丸あやまる”(以下刀)という2本の刀だ。だがもう一本、ユーリにはよく(ボス戦や強い魔物と戦う時などに)使う刀があるのだがそれはいつも通りにポーチの中だ。


「なおみんは強いからね」

「え…悠龍も強いと思うけど」

「そう?ありがと!」


嬉しそうに笑うユーリにナオも嬉しそうに笑う。ユーリがブルリと寒そうに体を震わせた。それを見て、腰のポーチからスミレ色のマフラーを取り出すとナオはユーリに渡した。


「え?なおみん?」

「寒いんだろ?これ、よければあげる。巻いたら?」


キョトン…とユーリは目を丸くしたがフニャリと笑った。


「ありがとうなおみん。やっぱりなおみんは優しいね」


ユーリに褒められナオは恥ずかしそうに目を伏せるとユーリにマフラーを押し渡した。それを受け取り、ユーリは再び大きな声で「ありがとう!!」と言うとマフラーを首に巻きつける。ユーリは刀を纏めて持つと腰のポーチから真っ黒なマントを取り出した。


「?」

「これお礼!なおみんもその格好、寒いでしょ?」


マントを渡してくるユーリに呆然としつつ受け取るナオ。そして再び恥ずかしそうに、嬉しそうに笑って言った。


「ありがとう、ユーリ」

「ふふっ。いいえ!」


ユーリからもらったマントを羽織るナオ。と彼女はあることをふと思い、それを言った。


「俺達さ、今アバターの格好じゃん?アバターの名前にしない?」


それにユーリはうーんと悩んで言った。


「ウチはいつもなおみんのことなおみんって呼んでるから難しいかも……」


それにナオはしゃあないと頷き、言った。


「無理しなくていい。俺は悠龍呼びだからあんま変わんないからいいかなーと思っただけだし」

「そう?でもやってみるね!」


ユーリがグッと拳を握り締め、叫ぶ。


「ナオ!早く帰れるように頑張ろうね!!」

「嗚呼!頑張ろう、ユーリ!」


パンッ!と誓いのハイタッチを交わす2人。

さあ、早く元の世界に帰ろう。


ーガサガサッー


近くの茂みから何か音がした。何か動物がいるのだろうか?

そんな可愛らしい思いで2人は茂みに近寄った。


ーガサッー


「「え」」


茂みから出て来たのは可愛らしい動物ではなく、ゲームでお馴染みの魔物モンスターであった。紅色の瞳を6つ持ち、黒色をした熊の姿で爪は鋭く、牙は刃物のように尖っている。


「グアアアアアアア!!!!」

「「きゃああああああああああ!!!!」」


2人は悲鳴をあげて逃げ出す。それを魔物は格好の獲物だとでもいうように追いかける。

ここは道一本しかない。道の両端には森が広がっている。


「どうしよう!!!なおみん!!!」

「どうしようもないよ!!!まだ死にたくない!!」

「てかここで死ぬのは絶対イヤ!!」


2人は急ぎながら叫び。震える体を無理矢理のように動かす。早く、早く逃げないと!!


震える両手でナオは大剣の柄を握り締める。


「は、春嵐六花はるあらしろっか!!!」


不安と恐怖で自分だけのオリジナルスキルを叫んでしまった。

ナオの大剣に桜の花と雪の結晶がまとわりつく。そしてそれらは嵐となって追いかけてくる魔物にぶつかった。魔物はその一撃で倒れてしまった。

それを見た2人は驚き、立ち止まって動揺し、ナオの大剣を見た。もう桜の花と雪の結晶はまとっていない。


「「マジで?!」」


いや、ホントにマジっすか。


少し書き溜めしていたので多分、今週は連続投稿可能かと。

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