二十四の曲〜弱肉強食の戦闘〜
ナオ VS アルファ
「殺して差し上げますから動かないでください、ね」
アルファは殺気を放った顔をしたまま、ナオの懐に一気に潜り込むとその剣を彼女の首筋に向けて突き刺した。それをナオはギリギリ、大剣でアルファの剣を防ぐとニヤリと笑ってみせた。
「そんな簡単に殺されるわけねぇだろ?」
バッと大剣を振り、アルファを後退させる。と次はナオが一気にアルファに迫り、バッと大剣を振った。当たった感触があった。アルファは空中で一回転し、再び後退していた。頬にはさっきまでなかった大きな何かが擦った跡がある。
「…っ。やりますね」
「敵に褒められても嬉しくないんでな」
ハッとナオが大剣を構え、鼻で笑うとクスリとアルファも笑った。
「エレメント・アース!」
「水花水蓮!」
アルファの剣に土煙が舞い、ナオの大剣に水色の小さな水蓮と雫が舞う。2人は舞った刃を構え、一気に相手に向かって走り込み、刃を交えた。
ギギギと両者の刃が悲鳴を上げる。どちらかというと男であるアルファの方が力が上だ。バッとナオの大剣を振り払うと彼女が後方に体制を崩す。がかろうじてナオは足で耐え、大剣を振り抜く。もう一度、ナオはアルファに挑みかかる。ガキンッとアルファの首筋めがけて突き刺した大剣はアルファの剣に押さえこまれる。アルファがナオの大剣を再び、さっきよりも強い力で振り払う。と今度こそナオが体制を崩した。体制を崩したナオへアルファが剣を再び、突き刺した。
「っ?!」
ズサッ!と倒れたナオの左肩に土煙が舞った剣が突き刺さる。ナオは痛そうにアルファの剣と土煙を離そうと手を付けてもがく。HPを回復できるからと言って痛みがないわけでは決してない。痛いものは痛い。ここでもそう。
それを見てアルファはクスリと嗤う。
「痛いでしょう?これが貴方達が弟達にやった、痛みです」
「クッ…俺は…」
「?」
「こんな、痛みに…屈しない!春嵐六花・桜花!!」
「?!」
ナオの大剣に舞っていた水蓮が桜の花弁に変わり、アルファを襲った。それにアルファは花弁に驚き、顔を片腕で覆いながら後退。アルファが後退したため、不気味な音を出してナオの左肩から剣が抜かれる。ナオは痛みに顔を歪ませながら素早く立ち上がり、アルファに向かって大剣を振る。まだ、花弁で視界を塞がれたアルファの右肩から左脇腹にかけて深い一線が通る。
「グァ?!」
「ハッ!ざまぁみろっ!」
アルファが後退に後ずさりながら傷を押さえる。花弁がアルファから消える。彼が悔しそうに唇を噛みしめる。ナオがどうだと笑う。
バッと両者が再び、刃を交差させる。アルファが剣を横に振るとそれを大剣で防ぐナオ。大剣でアルファの剣を絡めると片脚でアルファに蹴りを入れる。それを剣を持っていない片腕を縦にして防ぐアルファ。バシッとナオが大剣を回転しながらアルファの剣を弾き、彼の腕から逃れる。2人は再び、対峙し、痛む傷を庇いながら相手を睨みつける。
「華門凍化!」
ナオの大剣から桜の花弁の嵐が現れ、アルファに襲いかかる。アルファが顔を防ぐ、と彼は気づく。ピキピキと腕や体が凍り出していることに。桜の嵐が邪魔をしてそこから出してくれない。アルファは目を細め、唱える。
「フレイム・ストーム!」
ブォォ!桜の嵐と氷をアルファを包む炎の嵐が消し去るとナオが目の前におり、大剣を振ってきていた。アルファは驚きながら剣を横にして防ぐ。
「さっきと同じ、だな?」
「ふふふ、そうですね」
ジリジリとアルファの首筋に迫り来る自分の剣とナオの大剣。アルファは迫り来る刃を必死に押さえる。ナオはそれを押さえつける。
アルファが剣を頑張って振り払った。ナオが彼の剣から逃れるように横に転がる。ナオはアルファに隙を突かせないように素早く立ち上がる。と剣を構える。
「復讐を、主の命令を遂行いたします」
「倒す。俺は…屈しない、絶対」
再び、両者の刃が交差した。
来週、投稿できるかわからないので今週はいつもより多く投稿します!
話変わりますがウチ、創作キャラ作るの好きなんですよねー。よく気に入った漫画とかでウチの子動かしたりするんですけど…楽しいですね。あとは非王道(?)とか王道とかアンチ王道(?)の学園にウチの子放りこんでその日常見てみたいです。やってみたい気がしますが…ウチ、学園モノってどうしてもファンタジー入っちゃって…どうしたらいいんでしょう…
長文失礼しました!




