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謎の王子先輩  作者: 宮澤花
魔王降臨! ティーポット事件
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 さて、いい加減にバイクで拉致された日のことに戻ろう。

 王子先輩によるダンス特訓は、深夜にまで及んだ。こっちは、もうクタクタ。何のためにやらされてるのか意味不明だから、余計に疲労感たまるし。

 おまけに、王子先輩の教え方はヒドイ! 平気で人の足を踏みつけるし、ドカドカ向こうずねを蹴ってくる。


「あんまりです」

 って抗議したら、

「ステップを覚えないとどういうことになるのか、体に教えてやってるんだ」

 ときた。

「それに、僕もお前に踏まれたり蹴られたりされてる。お互い様だ」

 って言うんだけど。


 男の力でバシバシ私を蹴ってくるな! いくら華奢でも、王子先輩は男の人。力もあるし、体重も重いのよ! 新手のイヤガラセなのか。それも十分考えられるが。

 十一時に、もう閉めますからって受付の人にスタジオらしき場所を追い出された時には、本当に疲労困憊。


 でも、やっと解放されると思って、

「じゃあ。何だかよく分からないけど、お疲れ様でした。私は電車で帰りますので」

 と、立ち去ろうとしたら。

「何、言ってるの。送ってくよ」

 ですと。はあ? 何言ってるの?

「何、驚いた顔してるの。当たり前だろう。お前だって一応、女なんだから、こんな時間に一人で帰らせるわけにいかないでしょう」


 何、そのとってつけたような紳士発言。さっきまで、私を蹴りまくっていた人の発言とは思えない。

「いえ、いいです。大丈夫です。帰れます」

 と、丁重にお断りしたところ、

「万が一にもお前に何かあったら、僕が高原に顔向けが出来ないんだよ! ゴチャゴチャ言わないでサッサとバイクに乗れ!」

 怒鳴られた。

 また、坊ちゃん先輩。アンタはどれだけ坊ちゃん先輩を愛しているのだ。


 しかし、こうなったら王子先輩は頑固だ。粘着質のメンドくさい性格をめいっぱい発揮して、何が何でも自分の我を通そうとしてくる。

 で、結局負けた。というか、勝てた試しなんかないんだけど。

 うう、同じ日のうちにまた、王子先輩の後ろに座ることがあろうとは。どうも、命の危険を感じて仕方ない。


 ヘルメットをかぶり、王子先輩の後ろにまたがって。抵抗あるな。王子先輩の背中に、体を密着させないといけない。

「えーと、失礼します」

 一応声掛けして、先輩の腰に手を回す。


「気持ち悪いな! ヘンな触り方するな!」

 その途端に、これですよ。

「ビクビク触るなよ。余計に気持ち悪いじゃないか。ガバッと来いよ、ガバッと!」

 そんな、相撲のぶつかり稽古みたいな言い方されてもさ。

 私も、一応女の子ですし。王子先輩も一応、男だと思うから意識しているわけなんですが。


「心配しないでも、お前みたいな棒切れにくっつかれても何も感じないよ」

 って。誰が棒切れよ?! これだから、口先だけ紳士発言されても全然信用ならない。

 いいですよ。分かりましたよ。そんなこと言うなら、こっちもアンタを生身の男と思わんわ。お顔がキレイなだけのマネキン人形と思ってやるー!



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