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およそ一時間後。家中を引っくり返して見付けだした王子先輩の私物は、想像以上の量に!
「山積みなんですけど」
冷たい目で先輩を見る私。どれだけ物を持ち込んでるんだ!
あと、飲みかけのペットボトルが何本もあるのとかは、どうにかしてほしい。
そして、ロクに食べないくせになぜお菓子やおにぎりを買ってくる?
犯人を糾弾しようと後ろを向くと、いないし!
どこ行ったのよ、と思っていると、私の寝室の方から怒りながら現れた。
「ホントに最低な女だな、お前は! 何でこんなサイアクな服しか持ってないんだ!!」
と言いながら、私のとっておきの、入学式に着たワンピースを投げつけてくる。
「あーっ、乱暴に扱わないで下さいよ! 地元の**(某デパート)で買ってもらったんですよ!」
全国チェーンのデパートで買ってもらったものは高級品ですよ!
「何が**だよ! ダサい! 何でこんなのを買うんだ!」
「ダサくありません、カワイイじゃないですか!」
「どこがカワイイんだよ?! お前のセンスはサイアクだ!」
決めつけるし。
大体、このワンピース奥の方にしまってあったのに。この人、どこまで勝手に物色してるの! 空き巣か!
「もう。時間もないし、仕方ない。僕が服を買ってやる。お前、明日の午前中明けとけ」
はい?!
「服?! いいです、イラナイです。後がコワいですから。それに、明日は早朝から予定が詰まってます」
「ウルサイ! そんな予定、全部キャンセルしろ!」
そんなこと言われても。学祭の実行委員だから、私。
「お前のためじゃない、高原のためなんだよ!」
もう……意味が不明すぎるし。
「僕の言うことに逆らうな! 全く。アクセサリーも靴も下着もロクなのがなかったから、一式そろえなきゃダメじゃないか!」
どこまでチェックされてるんですか、私の部屋。
「あの。意味不明なお話はいいので、それよりこの私物をどうにかして下さい」
山積みの私物を指さす。
先輩はそれをチラリと見て、すぐに目をそらした。
「あのさ。その辺のモノはお前にあげるから、適当に」
「ゴミを私のウチに放置して行かないで下さいよ! ご自分で持ち帰って処分してください!」
やっぱり不要なものばっかりなんだ!
そんなモノを私の家に持ち込まないでくれ!
王子先輩は小さく舌打ちして、
「変なところでだけカンのいいヤツ」
と呟いた。




