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とりあえず、全部試食してくれることに。
何から食べてもらおうかなー。
「じゃあ、これから。肉じゃが風にしてみました。さあ、召し上がれ」
よそったお皿を先輩の前に置く私。
王子先輩は、じーっとそのお皿を眺め。
「豆が入ってる! こんなの食べられるか!」
コドモの理屈で、食べもしないでそっぽを向いた。
「ああっ、ヒドイ。自信作なのに!」
「何が自信作だ! 僕が来るって分かってるのに、何で料理に豆を入れるんだよ」
「だって、グリーンピースの入ってない肉じゃがなんて有り得ませんよ!」
「有り得る! 僕の家のは入ってない!」
「私の家じゃ有り得ないんです! 学校の給食にだって入ってたし」
にらみ合う私たち。議論は平行線。
諦めて、私が大人になることにした。
「そんなに嫌だったら、グリーンピースだけ残せばいいじゃないですか」
「イヤだ! 一緒に煮込むと他の具材までもれなく豆の味がしみるじゃないか!」
コードーモーだーなー!
「そんなに味しませんよ」
「する! するったらする!」
この人はー。これで成人男子ってとこが信じられない。
「ヨソでお食事する時どうなさってるんですか? まさか、彼女さんの前でそんな言動なさるわけじゃないですよね」
それともアレか? 赤ちゃんプレイとかの人なのか? 彼女さんに、「食べさせてー」とか?
うわ、想像したら気色悪。食欲がなくなる。
私なら即別れる……。私なら即別れる……。
「ええ?!」
私の言葉に目を怒らせる王子先輩。
「デートで行くような店なら、あらかじめメニューを調べておくか、シェフに豆を死んでも入れるな、って言っておけばいいことだろう? カンタンだよ」
「ああ。そうですか」
聞いた私がバカでした。
見栄っ張りなんだよね、このヒト。中味コドモのくせに。
しかも、「立場の弱い相手には威圧的に出る」という性悪なスキルを持ってるから始末に負えない。




