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3話 いい加減に思い出しやがれ

(嘘だろ、考えられねえ。ルーシアが裏ぎるなんてことがあるわけねえ。じゃあなんだ。とりあえずあいつらに何かがあったってことはわかる。それさえわかれば、説得できる。)


「アナタハワタシノカレシジャナイミタイ、デモ、シネ」

奏兎らしき幽霊の声は、だんだん大きくなりつつ、高くなっていった。

声が高くなるにつれて、声に混じるモスキート音のような高い音も大きくなっていってた。

話し終わるとまた、袖から2本の包丁を出して投げつけてくる。


「これは、左か、いや右だな」

2本の包丁は若干右にずれていたが、俺は全力で右に走る。

でも全然間に合いそうにないので、ビニール傘を広げて何とかガードする。

奏兎らしき幽霊はさっきまで俺がいたところの少し左の方で包丁を構えている。


(やっぱりな。左に逃げさせて左で襲う作戦か。だが計算プラス心理学で察しが付くわ。しかし包丁は無限に出てくる可能性が出てきやがったな。これはまずいな。)


「あーあ、無条件悪霊に手を出すからだよ」


背後から、モスキート音のような高い声もしない、普通の人間っぽい声がした。

だが振り向いたら目の前には、長い前髪で顔が隠れていて、俺より背が高く白のワンピースを着た裸足の、人型の何かがたっている。


「おまえだれだよ」


そろそろ包丁が飛んでくる気がし少し後ろを向くと、奏兎らしき幽霊は包丁を振りかぶっている。

俺は振りかぶっている奏兎らしき幽霊のフォームと、包丁を話すタイミングから、包丁の軌道をよむ。

左の腹部らへんに飛んでくると予想し、右に3歩移動してよける。


その後、また後ろからさっきの声がする。


「名前なんて覚えてるわけがない。悪霊なんてそんなもんさ」


(悪霊ならなんで襲ってこないんだ)

また一つ疑問が増えてしまったがそんなことを置いておく。


「そうか、じゃあ質問を変えるが、おまえこいつが死んだとき、見てたか」

「ああ見てたよ」


包丁を持った奏兎らしき幽霊が突っ込んできたので、しゃがんでかわす。


「その時何が起こったか言えるか」

「なんでそんなこと聞きたいんだい」


後ろにジャンプして奏兎らしき幽霊から距離を取りつつ体勢を立て直す。


「こいつによほどのことがない限り悪霊になるとは思えねえ。それとも幽霊はすべて悪霊なのか」

「いや、何らかの原因がないと悪霊にはならない」


(じゃあこいつにも何か原因があるんだろうか)


奏兎らしき幽霊から、2本の包丁と、奥にも2本あるので、合計4本の包丁が飛んできている。

後ろに下がり近くにあった木の裏に隠れ、攻撃を防ぐ。

その後、周りの警戒をしながら話を続ける。


「じゃあ質問を戻す。何が起こった」

「フーン、まあ言ってやってもいいけど、それが悪霊にとる態度かな」

「起こりましたか」

「まあいいだろう、こいつは彼氏とデートしていたんだがな、急にこいつ変な黒い人に背中を包丁で刺されたんだ。それなのに彼氏はどうしたと思う。急にキスとかハグとかいろいろやるんだ。死にかけの彼女の体に向かってね。」


すべての説明を聞きすべての情報を結びつけると、1つ疑問が出来る。


「その話をもしかして奏兎は覚えていなかった。そうじゃないのか」


相手は、少し目を大きく開き驚いた様子だったがそのあと元の顔に戻す。


「きみもしかして霊狩者(れいしゅうしゃ)じゃないの」

「霊狩者、なんだそれ、とりあえず質問に答えてもらおうか」


少し相手は黙り込む。

木の少し左の地面に影が出来ていたため俺は奏兎が近づいてきてると思い右に走る。

すると、奏兎らしき幽霊は俺に気づき、包丁を投げつける。

包丁は、右に大幅によっていたので、左によけて包丁をかわすと同時に、さっきの幽霊は口を開く。


「ああ覚えていなかったよ、だから私が教えたのさ」


すべての推測が確信に変わり笑みをこぼす。


「わかった、奏兎」


俺は奏兎らしき幽霊に向かって言った。


「ナニガ」

「お前の彼氏について思い出させれると思う」

「フーン、マアキクダケキクヨ」


奏兎らしき幽霊はこっちに向かって包丁を構えつつ向かってくる、しかし逃げ場が見つからなくて俺は、後方に少しづつ下がる。

最終的に公園の柵まで来てしまい、その柵は自分の身長より高いせいで登ったり飛び越したりできないので、追い詰められてしまう。


「モウニガサナイヨ。サアイッテ、ワタシノカレシニツイテ」


首に包丁を突き付けられ、逃げることなどどう頑張っても自分にはできないことが分かった。


「じゃあとりあえず君は口を出さないでくれ。今から君が忘れているお前とお前の彼氏の最後のデートの話になる」

「……」

「君は誰かは知らないが包丁で背中を刺された」

「マア、ソウダネ」

「そこから彼氏は動揺したはずだ。思い出せないかい」

「オモイダセナイ」

「そうか、まあ話を戻すが、そこで君は『もうすぐなくなる命だから動揺しなくていいよ』的なことをいった。」

「ドウイウコト」

「え、ああ、君は不治の病にかかってたんだよ」


奏兎らしき幽霊の顔が少し上がり、黙り込んで何かを考えている感じがする。


少し経ち、何かを思い出したのか急に、口が見えないけど口を開く。


「ソウダッタネ」


顔を覆い隠していた黒い靄が、少し減って色が薄くなったように見えてくる。

俺はそれを見て、続けて言ったら思い出しそうだと思い、続ける。


「そして結果、ルーシアはお前を病院に連れて行かず、そのまま最後のデートを君の体を支えながらやった。しかしそれを見ていたあの幽霊は、見殺しと思った」

人物紹介

名前 :ルーシア

読み方:るーしあ

性別 :男

性格 :優しく誰とでも分け隔てなく接しることが出来る。

説明 :奏兎の彼氏で零の親友。3人で遊んでいる時が一番好きな高校1年生。

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