5 道
「美味しそう!」
ベスが両手を口に当てて喜ぶ。
先ほどまで泣いていたベスだが、青年が目覚めたことで元気も出たのだろう。
ベスの目の前でクララ特製のパンケーキに蜂蜜をかけてあげると、嬉しそうに声をあげた。
昼の残りで申し訳ないが、飲むかもしれないとポタージュもつける。
元気そうなベスとは対照的に、青年の顔は青白い。
「あの、良かったら部屋に戻りませんか。食事も運びますよ」
「いや、ベスが食事をするのだろう。私もここにいさせてもらうよ」
気を遣って声をかけるが、にべもなく断られてしまった。
ベスと同じく、この世のものとは思えないほどの綺麗な顔をしているが、こちらはベスと違って無表情だ。彫像が動いてるようで、ちょっと不気味に感じてしまう。
「では、身体も温まりますし、良かったらどうぞ」
そう言って一応ポタージュだけ置いてみた。
「ありがとう」
頭を下げてお礼を言われたが、全くもって表情は動かない。
(何か怒っているのかしら?)
まあ、私には関係ないことだ。助けたこちらが機嫌を取ってやる必要はないだろう。
とりあえず席に座り直して挨拶をする。
「挨拶が遅れて申し訳ありません。サウスビー家領主のアンナでございます」
「サウスビー?ああ、王都の南の」
知っているというようにアルバート様が頷く。
良かった。地理に明るいということは、この国の人ということだ。
「ええ。あなた方が川岸に倒れていたのを従者と二人で見つけ、屋敷で介抱させていただきました」
「ああ。ありがとう。世話になったな。私はアルバート。この子は姪のエリザベス。ベスと呼んでくれ。家名は・・・」
アルバート様が言い淀んだので、すかさず片手をあげて遮る。
「あ、言いたくないならいいですよ、言わなくて」
何でだと言わんばかりにアルバート様の片眉があがる。
「別に私たちも知りたいわけではないので。お気になさらず」
話し方からして高位貴族の感じがする。
何も知らないほうが無難だろう。
「そうか、わかった。ありがとう。・・・それと、世話をかけて悪いのだが、馬車を用意してもらえないだろうか」
「馬車ですか?」
「ああ。どうやら私たちは昨日の嵐でここまで流されてきてしまったようだ。この子の両親は王都にいてね。今頃心配しているだろうから、早く家に帰してやりたい」
確かに。子どもがいなくなって親は心配していることだろう。
「わかりました。明日の朝でよろしいですか?」
「いや、できれば今日のほうがありがたいのだが」
「今日?もう日も暮れてきています。山道は暗くなると危険ですし、アルバート様の体調もまだよくはないでしょう?良かったらお泊りになられては?」
気持ちはわかるが、さすがに危ないと思うので泊りを提案する。
だがアルバート様は渋い顔だ。
「おじ様、そうさせてもらいましょうよ!」
そこにベスが元気に割り込んでくる。
「暗い時にお外に行ってはダメだとお母様も言っていたわ」
「その言いつけを破ったのは誰だ?」
アルバート様がベスを睨む真似をした。
「ベスが嵐の晩に出掛けたから、こういう状況になっているんだろう?」
途端にベスがシュンと小さくなる。
アルバート様の言うことは正論だが、そんな風に言われたらベスは落ち込むだろう。
場の雰囲気を変えようと、ベスに尋ねる。
「ベス、蜂蜜の味はどうかしら?」
「え、ええ、とても美味しい。初めて食べたけど、美味しいわ」
本当に美味しかったのだろう。お皿の上のパンケーキはもう残り僅かだ。
皿の上に落ちた蜂蜜も綺麗に拭い取られている。
「それに、ポタージュもとても美味しかったわ」
見ればポタージュも綺麗に飲み干されていた。口に合ったようで何よりだ。
「ポタージュは、お嬢様が作ったんですよ」
ホットミルクのお代わりを持ってきたクララが嬉しそうに言う。
「えっ、アンナが作ったの?」
「ええ。お嬢様はお料理がお得意ですからね」
ホットミルクを手渡しながらクララは自慢気だ。
(違う、違う、そうじゃない)
クララは私が誉められたと思っているのだろうが、普通貴族令嬢は料理はしない。
貴族の屋敷には専用のシェフがいる場合がほとんどだ。
ベスの驚きは違うところにある。
「クララ、そんなことは言わなくていいから」
慌てる私に気を遣ったのか、アルバート様が今まで手もつけていなかったポタージュを一匙掬う。
「いや、本当に美味しいよ」
(気を遣わせてすみません!)
日頃美味しいものを食べつけているだろうに、こんな田舎料理で申し訳ないと顔を覆いたくなる。
「アンナは何でもできるのね」
何故だが、尊敬するようにベスが見てくる。
(単に手が足りないからやってるだけなの)
だが正直に言えないので、とりあえず誤魔化す。
「そんなことはないわ、慣れているだけよ」
「お嬢様は小さい頃からお手伝いされていましたからね」
私が認められて嬉しいのか、クララはご機嫌だ。
ベスが目をキラキラさせながら尋ねる。
「私にもできるかしら?」
「ええ、勿論ですよ」
(いや、クララ。ちょっと待って。ベスは貴族令嬢だから!その流れだとベスがお料理させてって言うでしょ。アルバート様はベスに料理をさせたくないんじゃないかしら)
アルバート様の様子を窺うが、表情が動かないので、何を考えているかはわからない。
「じゃあ、今から私にも作らせてもらえる?」
小首を傾げてベスがおねだりする。
(やっぱり言った!)
「ベス。まだ食事が残っているだろう。お行儀の悪い真似はしてはいけないよ」
アルバート様が、不快そうな声を出す。
「すぐに食べるわ」
その言葉通り、ベスがささっと残りを食べてしまう。
アルバート様がホットミルクを指さす。
「ほら、まだミルクもある」
(小姑か!)
でもベスに気にする様子はない。
「わかっているわ。ちょっと待ってて」
ハラハラする私を他所に、ベスはミルクを一気に飲んでしまうと、クララと一緒に仲良く手を繋いで行ってしまった。
賑やかなベスがいなくなって、部屋が急に静かになる。
「すみません、クララが余計なことを」
「いや、こちらこそ彼女の手を煩わせることになってしまい、悪いことをした」
(あれ?怒ってはないのかしら?)
顔は相変わらず無表情だが、声は穏やかだ。
「怒ってはいないのですか?」
「いや、別に?」
そう言いながらポタージュを口に入れている。
もしかして表情があまり変わらないだけで、別に不機嫌なわけではないらしい。
黙っているのも気まずいかと、とりあえず話しかけてみる。
「それにしても大変でしたね」
「え?」
「王都からここまで流されてくるなんて」
「ああ、泳ぎには自信があったんだがな」
まるでしくじったと言わんばかりに折れた右腕を見ている。
「いえ、あの嵐の中を泳げただけでもすごいと思いますよ」
夏の終わりとはいえ、水の中は冷たい。
それに加えてあの嵐では、川は濁流だったろうに。
「・・・・・・木箱が流れてきたから」
「えっ?」
「ベスを抱えて木箱に掴まったんだ。そうでなかったら沈んでいた」
それでもベスを庇いながら泳ぎ続けたのだろう。相当な胆力だ。
「命があって、本当に良かったです」
「そうだな」
アルバート様が首にそっと手を当てた。
ようやくアルバート様はポタージュを飲み切ったようだ。
ナフキンで丁寧に口を拭っている。
ポタージュを飲んだからというわけでもないだろうが、先ほどより顔色はマシになってきている。
「良かったら、おかわりをお持ちしましょうか。それに、何かつまみやすいものでも」
アルバート様の折れた右腕に目を遣る。これでは食事もしにくいだろう。
「いや、もう結構だ。ありがとう」
そう言われると、私もすることがない。
どうやらアルバート様は寡黙な方のようだし、私も話すこともないから、自然沈黙が落ちる。
(それにしても見れば見るほどきれいな顔ね)
彫刻のように美しい顔だ。
だけど銀髪と青い瞳という共通点はあれど、ベスとは似ていない。
二人とも神様が精魂込めて作り上げた芸術品のように美しいのに、タイプは全然違うんだなとつい観察してしまった。
「私の顔に何かついているか?先ほどからじっと見ているが」
「えっ、ああ、すみません。ベスとは似ていないんだな、と思って」
「ああ、叔父と姪だからな。そう似るものではないだろう」
「そうですか?私の友人は親子かと思うほど叔父にそっくりだったので、その印象が強かったのかもしれません。友人が言うには、そこのお家は一族全員同じ顔だそうです」
「そんなことあるのか?」
話しかければ話すタイプなのだろう。
沈黙が続くよりかは気まずくなくていいかと思い、しゃべりかける。
「あるんでしょうね。ちなみに私は一つ年下の弟、あっ、オリバーって言うんですけど。弟とは双子のように瓜二つです。私たちの顔は、亡くなった母そっくりなんですよ」
「そうか」
興味はないだろうに、一応相槌を打ってくれる。
「まぁ、中身は全然違うんですけど。けれど解せないのは、私は誰が見ても性格まで母にそっくりと評されているのに、私がやらかすたびに、母はなぜか誰に似たんだろうと嘆いていました」
(その度に、心の中でお母様に似たからですと突っ込んでいたけど)
「君、見かけによらず、お転婆だったのか」
「さぁ、どうでしょう?母と私は仲が良かったのですが、自分に似ているとは一言も言いませんでしたね。父は中身が自分に似ている弟のことをよく理解しているみたいでしたが」
「ご両親の気持ちもわからなくもないけどな。ところでお父上は?」
挨拶をせねばならないと思ったのか、アルバート様が聞いてきた。
「ああ、半年前に亡くなりまして」
「それは・・・・・・お悔やみ申し上げるよ」
アルバート様が一瞬間を置き、労わるように言ってくる。
「あ、いえ・・・」
(しまったわね。気を遣わせたかしら)
別に気にしてはいないが、世間から見たら同情される境遇かもしれない。
腫れもの扱いは苦手だ。
何となく、次の話題を上手にのせることができず黙ってしまった。
アルバート様も気まずいと思ったのか、自分から話題を振ってきた。
「・・・どうして、似ている・似てない、と論じるんだろうな」
「え?」
「いや、集まりに顔を出すと、すぐ兄弟や親戚と似ている・似ていないと言い始めるだろう。あれはなぜかな」
「そういえば、そうですね」
確かに赤ん坊が産まれたものなら、やれ母親似だ、父親似だと言っているような気がする。
「うーん、多分、安心するんじゃないんですか」
「安心?」
「ええ、自分と似ているところを見つけて、うちの子だ、みたいな」
「そんなものかな」
「アルバート様は思ったことないんですか?」
「いや、私は子どももいないし、結婚もしていない」
心外そうに言われる。
「そうですか、すみません。ベスにとって、いいおじ様みたいだったので」
別に老けていると言ったつもりはないけど、一応謝っておく。
「でも、自分にとって大事な人なら、そんな血縁なんて関係ありませんよね」
「そんな人がいるのか?」
「そうですね。勿論弟のオリバーは大事ですが、先ほどのクララに執事のタイラー。それにクララの息子のセオドアとは姉弟のように育ちましたし、血のつながりはなくとも、私の家族ですね」
「なるほどな」
なんとなくほのぼのと話していると、開いている扉をノックされた。
見ればセオドアだ。
ベスたちを助けた後、泥だらけになったから一度着替えて出て行ったはずだが、また泥で汚れている。
顔も疲労が滲んでいる。
「おかえりなさい。大丈夫?お水を持ってくるから座りなさい」
椅子を勧めるが、手を振って断る。
「いいよ。さっき台所で母さんにもらった。ちびちゃん、元気になったんだな」
「ええ、そうなのよ。もう会ったのね。ベスの体調はいいみたいよ。あ、アルバート様、紹介します。先ほど話していたセオドアです」
「ああ、君か。助けてくれてありがとう」
席を立ってお礼を言ったアルバート様に、セオドアがびっくりしたように見る。
(この方、立つと大きいのよね)
小顔で足が長いからか、座っているとそう大きくも見えないが、アルバート様は随分と長身だ。
「いや、あんたも無事でよかったな」
セオドアがアルバート様を見上げながら返事をする。
(敬語!お願いだから敬語を使って!!)
「セオドア、言葉遣い・・・」
「それより王道、ダメだわ」
「えっ?」
「土砂崩れ。マシューたちと見てきたけど、まあまあ酷い」
「住人は大丈夫だったの?怪我人はいるの?」
「いや。そこは大丈夫。元々あの周辺、人は住んでいないしな。マシューが念のため周辺住民を点呼したら全員いたよ」
「そう、良かった」
「畑とか建物の被害はなかった。ローガンが嵐が来るなら葡萄の実が落ちてしまう前にって前日に収穫をしてたんだ。で、今朝売りに行こうと荷馬車を走らせていたら、土砂崩れで道が塞がっていたって」
「ローガンは大丈夫だったの?」
「ああ。もう崩れていた状態だったらしい。仕方がないから戻ってきてマシューに報告したのさ」
「そうなのね。・・・葡萄は加工に回すしかないわね」
葡萄は鮮度が落ちるのが早い。
ローガンは手広くやっているから、領内で売り捌ける量ではないだろう。
「ああ、そこらへんも大丈夫。知り合いの店に声をかけるからいいってさ」
それでも収穫前の葡萄はこの嵐で落ちてしまっただろうから、売り上げは下がるだろう。
収穫高があまりにも落ちているなら、減税か補助金を考えなければいけない。
「そう。じゃあ、後はマシューに連絡を取らないといけないわね」
「いや、アンナは忙しいだろうし、早い方がいいかなと思って、もう俺の方で工事の話は進めてきた」
「ありがとう。そうしてくれて助かったわ」
さすがセオドアだ。機転が利く。
昼に報告されてもベスたちの看病があったため、現地に行くのは無理だったと思う。
「マシューが言うには、工事が終わるまで1週間ってとこかな」
「わかったわ」
現場を見てないからわからないが、マシューがそう判断したなら確かだろう。
「悪いがもう少し、期限を早めることはできないかな」
話に割って入ったのは、アルバート様だ。
(確かに、アルバート様としては早くベスを連れて帰りたいわよね)
セオドアが胡乱げにアルバート様を見上げる。
「いや、無理だね。マシューは土木工事のベテランだ。そのマシューが計画立てたんだ。間違いないさ。集めた職人たちも前から入ってる他の仕事もある。簡単に人員を確保できるわけじゃない」
「少し急いでいてね。私が多くお金を払っても、人員の確保は難しいだろうか?」」
「はぁぁぁ?」
「セオドア。アルバート様は、ベスを早くお家に帰すために、工事の期限が短くならないか相談しているだけよ」
「どういうつもりでも無理なもんは無理だ。勿論、金を積まれても、だ。『急がば回れ』って言葉知ってるか?職人の安全第一。無理させてマシューたちに何かあったらどうすんだよ」
「無理にとは言ってないでしょう。どうしたのよ、アルバート様は聞いただけよ」
「うっせーな、工事を早く終わらせたいんだろ?うちだって王都は経済の生命線さ。早く開通出来るものならそうしてるよ。何もわからない人間が口出してくんなよ」
セオドアが怒鳴り返す。
(ダメだわ、これは。話にならない)
「アルバート様、申し訳ございません」
疲れてイラついているのか、セオドアの悪態が止まらない。
とりあえずアルバート様に謝る。
「いや、部外者の私が口を出してしまったのが悪い」
口論する私たちにアルバート様が大人の対応をして、引き下がってくれた。
いつもはこんな風な態度を取ることなどないのに。一体どうしたことだろう。
(相性の悪いヘンリー様にだって、表向きは敬語で話していたのに・・・)
苛々したようにセオドアが爪を噛む。
「・・・・・・行ってやろうか」
「えっ?」
「あのちびちゃんの両親、心配してんだろ。俺が王都まで行って無事を報告すればいいんだろう?」
「でも道は塞がっているんでしょう?」
「あれくらい、俺なら何ともないさ。子どもの頃、散々山で遊んでるしな。行けるとこまで馬で行って、そこから歩けばいいだけの話だろ」
「何言ってるのよ、まだ地盤が緩んでるでしょ。危ないわ」
「騎士団に入れば、そのくらいの仕事はさせられるさ。いい練習になるぐらいだ」
腹が立つくらい、今日のセオドアは言うことを聞かない。
アルバート様が、私たちの間に入る。
「君は、騎士団に入るのかい?」
「え、ええ。春から騎士団に入団が決定していますの。こう見えても強いんです」
「こう見えてもって何だよ」
セオドアが不満そうに口を尖らす。小柄で細身のセオドアは、残念ながら強そうには見えない。
ごめんごめんとセオドアに手で謝る。
「現役の騎士の方も、余裕で倒したのですよ」
「現役の騎士を?」
アルバート様が眉を顰めるのと、セオドアが赤くなって叫んだのは同時だった。
「何で知ってるんだよ!」
「『壁に耳あり、障子に目あり』よ」
うふふ、と笑う。
「ヘンリー様に圧勝したって聞いてるわよ」
どうしたわけかセオドアとヘンリー様の相性は悪かった。
セオドアは身分差もあり顔に出すことはなかったが、ヘンリー様は露骨にセオドアを嫌った。
原因はわからないが、半年ほど前にとうとう決闘をやらかしたのだ。
タイラーから聞いた時はどうしようかと頭を抱えたが、プライドの高いヘンリー様は、私には何も言わなかったので、そのまま知らぬふりをしていたのだ。
(まぁ、それ以降ヘンリー様はうちにくる頻度が落ちたけどね)
「それはすごいな」
素直にアルバート様が褒めている。
「だから大丈夫さ。ひとっ走り行ってきてやるよ」
セオドアが鼻をふんと鳴らす。
「いや、それには及ばない」
「えっ、何でだよ」
「君はクララやアンナ嬢にとって大事な人だろう。何かあっては彼女たちが悲しむからね。だからアンナ嬢、道の復旧ができ次第、馬車を用意してもらえないだろうか」
(この方、いい人だわ)
ヘンリー様だったら、自分の要求を通すために喚いていただろう。
ベスのご両親のことを思えば早く無事を知らせてあげたいけど、私もセオドアには危険な真似はさせたくない。
「わかりました。では道が復旧次第馬車を用意しますね。ただ、私からも復旧は急ぐように伝えておきます」
「アンナ!」
「私も10日後にアスター商会に行かなければならないもの。サウスビー家にとって大事な取引よ。すっぽかすわけにはいかないからね」
これ以上、文句は言わせない。腰に手を当て、セオドアを睨みつける。
「ま、まあ、そういうことなら。じゃあ、明日の朝一番でマシューに伝えに行くわ」
取り引きのことを思い出したのか、セオドアも納得してくれたから良かった。
「パンケーキ、上手に焼けたの~」
丁度話が終わったとこで、ベスが嬉しそうに食堂に戻って来た。
後ろからクララもにこにこと笑いながら入ってくる。
アルバート様とセオドアは、ベスのお皿を覗き込みながら、かわるがわる褒めている。
(しばらく賑やかになりそうね)
私もその輪に加わった。




