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Overwrite -オーバーライト-  作者: もちぷよ
This is the end of start

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99/100

99: See you my world

頭が痛い。

俺は混同する記憶に、息苦しさを覚えた。


今まで混同されず、重なるはずのなかった記憶。危機的状況になり、走馬灯として、本能として蘇ったのは、吸収した人の記憶。


こんなの、利用するしかないだろ。



ーー俺は自身の腹を原点としてビームを放ち、自身も貫く代わりに彼らも同時に貫いた。


「勝ちに行きましょう」


俺は杏奈の記憶から、自身の引き裂かれた身体どうしを結びつけることに成功した。


対して、混合した俺の皮たちは人などとはより言えない姿。とても醜く、真ん中にぽっかりと穴が空いていた。


『うう、うおあうぉう』


赤ちゃんのような喃語を発している。気味が悪い。


「こっちを見ろ」


柊木慶彦の声が聞こえた。その声の先には、腰に何かを巻いている彼の姿があった。


「やはり所詮、君の成れの果てだからゴミ同然だったな」


「失礼だな」


一応あれも元俺だ。侮辱されるとなぜかこちらも侮辱されているように思える。


「しかーーーーし、やむを得ないが、彼らはやはり私を必要としていた。私が、神に選ばれた歴史的人物であることは、間違っていなかったのだ!!」


彼はどこか興奮状態に陥っているように見える。


すると彼は、ポケットから注射器を取り出した。


「変身」


彼が注射器をベルトに指した瞬間、俺の皮たちはより液体化し、俺を避けて綺麗に彼の元へ集まった。


なんだ、眩しい。


俺は彼らから発する輝きから、思わず目を隠してしまった。


輝きが収まってくると、その輝きの中から現れたのは黒い液体を纏う俺だった。いや、俺に似た柊木慶彦だった。


「これが! 本当の神。やはり作り物ではなく、生きて、自分の意思があってこそ、神は確立される。やはり私が髪にならなければいけなかったのか……これもまた、歴史に刻まれる戦いになるであろう」


定義からして、俺も神と言っていい気がしなくもないんだけどな。


すると自称神は彼の周りに俺の化身のようなものを現した。

彼らの顔は無表情で、どこか悲しそうにも見える。


「これが神の力、人を完全に創造できるのさ。行け!人よ」


すると彼らは俺に向かって武器を持って走ってきた。

が、俺はそれ相応の技を繰り出した。


「微分」


俺は走ってきた化身一人一人を微分し、一瞬で消し去った。


いやぁ、微分強い。このままやつを殺して……


「微分、やれるならやってみろ」


突然、彼は俺の目の前に現れ、俺を黒い液体で突き飛ばした。


俺は欠かさず液体を微分させようとしたが、俺は人間では無いものについて微分していたため、黒い液体は微分されず、俺を封じ込めた。


「髪に抗うことなど出来ないのだよ。出来損ないめ」


俺が出来損ないか、ふざけやがって。


「この力があれば、俺は新しい世界を作り出せる。他の世界を壊して、私が望む世界へと変えるのだ」


俺は再び、なにか思い出さないかと目を閉じるが、何も新しく見えてこない。見えるのは彼ら2人の記憶だけだった。


なんでこんな時に何も見えないんだよ。くそ。


「君には特別に、最初にこの世界から消える人にしてやろう」


すると彼は俺の目の前で手を上げ、その上に大きな黒い玉を作り始めた。


「これが、これが世界だ! 私の世界となるものだ!」


彼の世界とは一体何なのだろうか。地獄でも作るのだろうか。


「そんな壊れた世界、誰も望まない」


俺は戦うのを諦め、杏奈の記憶を垣間見ながら妄想し

始めた。


彼女の戦い、彼女の人生を見ていると、何だか今の人生が逆に良く見えてくる。


別の世界の杏奈の記憶を見てみることにした。しかし彼女はなんの能力も持っていない。ただの平凡な女子高校生だった。


え?


俺はまた別の杏奈を見るが、彼女は能力を持っていない。さらに、幸せそうに見えた。


これは、俺らの世界、俺ら付近の世界がおかしいだけなのかもしれない。なら、俺はこの世界を壊して、みんなが幸せな世界を作る。


これは、不幸な世界だ。


俺は自分自身を黒い液体に徐々に変える代わりに、この世界を吸収することにした。そうでないと、彼が先にこの世界を壊してしまうからだ。


なら、先に壊してしまえ。


「なに馬鹿なことを、貴様は神ではない。神ではないただの道具のくせに、この世界を吸収などするな! 私たちの存在自体が消えることになるぞ!」


「俺はこの世界を吸収して、作り直す。他の世界と変わらない、俺達がいない世界だ」


俺は口から黒い液体を出すだけでなく、全ての体を黒い液体へと変え、世界を飲み込んだ経験から、直ぐにこの世界を飲み込んだ。


さようなら、俺の生まれた世界。

本当に申し訳ございません。投稿予約を設定したつもりが、つもりで終わってしまい、投稿していませんでした。


次で最終回です。最後にはこのようなことがないよう、努めます。

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