#83 kill the human
エアコンが効き、すこし寒いぐらいの部屋。
円形の机が中心にあるこの会議室で、私たちは作戦会議を始めた。
「さて、今後どうするか決めようか」
副社長は椅子に寄りかかり、腕を組みながら会議を始める。
「まず、和也を連れていかれ、私のデータも盗まれた。で、そのデータを活用させない為に事前に手を打ってしまおうという話だったが、それでいいな?」
副社長はそう言う。しかし、こんなに広い部屋でこの3人だけ。つまりこれを解決するのは3人だけってこと?
「3人でやれと?」
私の言葉に副社長は反応する。
「このことは社長には知られタクがないからな。だから他の人を使うと社長の耳に入るかもしれない。だが、3人な訳が無い。
このために用意しましたこのロボット! さぁいでよ! エアー」
その瞬間、円形の机の中心の床は穴が開き、下から2体の人型ロボットが現れた。
呼吸の仕方、瞬きの仕方、力の入れ方など、人間らしい部分が沢山あり、少し気味の悪いロボットだ。
「このロボットでどうしろと?」
時音が質問すると、副社長は答える。
「考えた案があるが、ここはどうせならエアーに言ってもらおう」
一体どっちがエアーなのだろうか。片方? それとも両方?
そう考えていると、2体が同時に喋り始めた。
『〖やられる前にやろう作戦〗今回の作戦では、先程説明した通り、敵に技術を使わせないために我々は動きます。同時に、敵を捕らえる為にエアーは用意されました。
エアー。エアー一体と時音さん、もう一体と叶夢さんで二つに分かれます。時音さんが敵の居場所を探し、叶夢さんは別の次元へ行ってもらい、ある人のスキルを封じてもらいます。その繰り返しです。
エアーはあなたの補助をし、時に戦うので、1人の人として扱ってくれると、嬉しいです。ーー以上』
なるほど。
「副社長は?」
私は聞くと、すぐに彼自身が答えてくれた。
「俺は叶夢の補助、時音の情報の把握、まとめなどをする。能力がないからな、申し訳ないが、お前たちに動いてもらう」
すると副社長は珍しく頭を下げた。
てか、別次元って、なに?
早速、行動に移した。
時音はエアー①と一緒にゲームに入れる機械のある場所を転々とした。
副社長曰く、完成させるためには「ペネレイト」「ピンクの液体」「スーツキューブ」が必ず必要になるらしい。
つまり、私たちはそれの回収だ。
「で、別次元ってなに? それにどうするつもりなの?」
副社長はパソコンをカチカチしながら言うのに対し、私はエアーの方に手を置きながら聞いた。
「この世界には多次元宇宙が存在する。私がペネレイトの研究をしたところ、それはその多次元宇宙の存在を明らかにした。だから私は、多次元宇宙の研究を続け、次元を移動する機械を完成させたというわけだ」
彼がenterキーを押すと、私の横にあった機械が作動し、ピンク色の液体のゲートのようなものが現れた。
「これは、ペネレイトがないと作れないの?」
「いや、このデータがあれば科学者なら誰でも作れる。ま、その費用があればの話だがな」
そんな簡単に多次元宇宙へ行ってしまって良いのだろうか。まぁいっか。
「さて、そのゲートをくぐったらもうそこはこの世界ではない。帰りたい時はエアーに言えば帰れる。
本題はある人のスキルを封じることだが、ペネレイトのスキルを回収という点から、察しが着いているだろう」
まさか、そんな
「ウィルを殺せ」




