#82 Who is the
呪縛の根源を無くすことが彼の仕事。副社長の仕事でもあるはず。なぜわざわざ増やそうとするんだ。
「何度も言わせるんじゃない。人類の進化のためだ。例えば、産業革命。あれを人類の進化と言うのであれば、人間自ら進化するには道具、機械を独自で作らなければならないことになる。私はそれのための道具を作ったに過ぎない」
結局は人類の進化か。けど……
コツン、コツンと鉄の上を歩く音が上から聞こえ始めた。
人がそこに?
私は不思議に思い、スキルを使って音のなった方へ行った。
するとそこには、靴が脱ぎ捨ててあった。
まさか!
「侵入者はまだいる!」
すると慌てて副社長は自身のパソコンへ向かい、画面を開いた。
「データだ、データを盗まれたぞ! 奴からUSBを奪ってくれ!」
行くしかない。でもどこへ行ったのか検討がつかない。
すると副社長はエレベーターへ向かい、上がる事を提案した。なぜだ?
「靴の向きが扉側なら、きっと奴は上に登ってる。実際、エレベーターが動いたという通知がパソコンに来ていた」
なら、行くしかない
私たちはすぐにエレベーターに乗り込み、元いた階に戻る。
すると副社長は私たちに機械を渡し、着けるよう促した。
「これで位置情報を確認できる。俺と和也は能力を持ってないから二人で行動する。遭遇した時、もし相手が能力を持っていたら不利だからな。2人は各自で行動してくれ。見つけたら機械を2回タップしろ。すぐに位置をみんなに共有する」
「分かった」
私は首、足、手、肘、腰の骨をポキポキと鳴らし、準備した。
「チーン」と鳴り、エレベーターが到着した瞬間、私は右へ、時音は左へ進んだ。
一体どこへ
様々な扉を開け、今まで行ったことのない場所も探すが、それらしき人はいない。そもそも、見ていないから誰を探せばいいのか分からない。
少し諦めながらも最初のエレベーターに着いた。
エレベーターの扉の前には、ペネレイトを纏う鎧を着た人が、和也の頭を掴んでいた。
奴の足元にはノートパソコンがあり、それは副社長のものだ。
その姿からは余裕が見え、恐ろしい。まさに、強者だ。
奴はこちらを向き、手元からUSBを現した。
「お前か!」
私は姿勢を低くして駆け出し、奴と距離を縮めた。
「チャージ〖拳〗」
入った、いける!
しかし奴は私の拳を難なく手で受け止め、横からペネレイトで私を飛ばし、1番右側の壁に私を貼り付けた。
さらには私の隣には副社長がいた。
「副社長!?」
彼は申し訳なさそうに言う。
「すまない、1番最悪で、私達に最初に会ってしまった」
奴から伸ばされたペネレイトは縮んでいき、私はペネレイトで壁に張り付いて、抜け出せなくなってしまった。
くそ、時音に出会って戦ったいるといいが……
すると横から時音が現れる。
「わわわわわわわ時音〜〜」
「なんで報告しないのよ。探してたのに」
時音はペネレイトを歪ませ、私たちを束縛から解放させた。
「早く和也を助けに行かないと」
「え!? やばいな」
時音と私、副社長は走り出し、エレベーターの前まで行くが、誰も居なかった。
まじかよ、くそ。
床にはパソコンは落ちておらず、だいぶピンチだ。
再び探そうとするが、あることに気づいた。
「監視カメラで探そう。ここには監視カメラが山ほどある」
私たちはすぐ監視室に向かい、今さっきの動画を確認するが、既に監視カメラはペネレイトによって隠されており、音だけの真っ黒な画面。
さらには奴が玄関から堂々と外へ歩いていく後ろ姿だけが、監視カメラで奴を映した姿だった。
私はモニターのある机を叩き怒りを抑えた。
「くそ、」
副社長は平然と答える。
「こうなったら、奴らに対抗するしかない。奴の目的は分からない。しかし、奪ったデータを活用するためには、奴らは材料が必要だ。その材料を集めさせなければ、奴らは動けず、さらには突き止められる」
すると時音は1歩までに出て、口を開く。
「やろう私達で」




