表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Overwrite -オーバーライト-  作者: もちぷよ
Main person

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/100

#81 stir

え? 急に何を言い出すかと思えば、「死んでもらう」? 人の命をなんだと思ってるんだ。


すぐに私は体を起こし、抗議しようとした瞬間、副社長は私に手のひらを向けた。


「まてまて、和也くんには死ぬぐらい辛い思いしてもらうから覚悟しといてねって言ったつもりだったんだけど、伝わらなかった?」


はぁ、伝わるわけがないでしょ。


「呆れたわ、そんなん伝わるわけないじゃない」


時音が代弁してくれた。


まぁ、見当違いのことを言うのもいつも通りだ。

それに、「死ぬような思い」となると、あれしかない。しかし生存する保証はあるのだろうか。


「着いてきて」


そう言われ、私たちは副社長へついて行った。


久しぶりに来るが、こんな場所だっただろうか。機械だらけだった昔とは違く、緑が所々にあり、一部の床自体が芝生になっている場所もあった。


一体なんの実験をしているのだか。


すると副社長は立ち止まり、布がかかった机の元に立った。


何が隠されているのだろうか。


「私はずっと、『人類の進化のための手助けをしたい』と思っていました。そんな中、完成したのがこちら!」


そう言って副社長は覆ってある布を外し、その物を現すが、それはただのメガネケースらしきものだった。少し期待して損した。


「これがどうかしたの?」


私が聞いても、副社長は全く反応がない。どうしたのだろうか。


「どうしたの? これが見せたかったんじゃないん?」


すると副社長は頭を抑えながら言った。


「これじゃない。こんなもの、見せるわけが無いだろ。盗まれた」


え? それは不可能だ。ここは地下10階。さらにはこんな密閉され、ごちゃごちゃな空間出盗むことなど到底不可能だ。


そう考えていると、どこからか裸足で歩く足音が聞こえた。

音の鳴る方へ行ってると、そこには上裸の男が親指をくわえながら突っ立っていた。


何だあいつ、気味が悪い。まさかあいつが盗んだのか?


「あれだ! あれが俺の見せたかった試作機だ!」


そうやって副社長が指さした先は、親指を加えた男の腰に巻きついている、まるで仮面ライダーのベルトのような物だった。


すると親指男は試験管の中に入ったピンク色の液体を飲んだ後に言う。


「へぇあんしぃん」


注射器のような形をしたベルトの針の反対側を押すと、そのベルトからは黒い液体が流れてきた。


あの黒い液体、嫌な予感がする。


時音も同じように感じたのか、男の元へ走ってスキルを発動しようとした刹那、彼と時音の間に黒い液体の壁が作られた。


考えられる限り、あの液体はペネレイトだ。


するとその壁は徐々に縮まり、親指の男の体にピタリと張り付いたと同時に、彼は姿を現した。


その姿は先程の男だが、顔のほとんどはペネレイトに囲われ、手はペネレイトで作られた獣の手のようだった。さらには彼の体には変な模様まで浮き出ている。


「ああ、見て、もっと見てぇ僕を、見て!」


そう言って体をゆらゆらと動かしながら時音の元へ走り始めた。


まずい


こんな例外な状況でも、時音は冷静で、すぐにスキルを発動させて彼と壁を作り、彼が時音により近ずいた瞬間に壁を彼の元へ移動させ、時音のラグの壁によって彼は潰された。


ラグの壁だからいつも通り、血なども歪んで見える。


すると時音はこちらを向き、ラグによって歪んだ顔を見せる。


「副社長、言ったよなぁ、武器に使うなって!! 忘れた? 忘れたの? ああ!? 返事しろや」


彼女の歪んだ顔の先には、顔を真っ赤にして怒る彼女の姿が見える。


「武器になど使ってない。これは、人類の進化のための……」


彼は慌てるが、彼の両手にはペンとノートがあった。

すると時音は副社長の周りに囲うように再び壁を作る。


「人類の進化以外の答えを出しなさい」


ラグの壁によって歪んでいる現実が、ここまで近くにあるのは初めてな気がする。


「誰でも向こう側の能力を手に入れることの出来る機械を作ったんだよ!」


白状した。副社長を脅す社員。下克上じゃん。


というか、


「人類の進化のためとか言っておいて、あれは無くない?」


私がそう言うと、壁はより縮まった。


「違う、言っただろ! あれは試作品だって。まだ完成してないんだよ。それにあれは盗まれて、人間が使用するのはあれが初めてだった。だからメモぐらいしていいだろ」


すると時音は壁を消すが、問う。


「だからって、作る必要あった?」


「お前たちには感謝している。不慮の事故で能力を手にしてしまった人たちの能力を消す。もしくはこちらに引き入れる。そうしてくれるのは有難いが、やはり引き入れる人も増やしてはいけない。その人の人生を奪うことになるからだ。だから、少しでも引き入れる人数を減らすために、普通の一般人でも能力を手に入れ、戦うことの出来る装置があれば、そもそも能力を持つ人が多ければ消す意味なんてないし、引き入れる必要なんて無くなる。さらには人類の進化にも繋がるじゃないか」


理にかなっている気がする。だが、


「不慮の事故となる呪縛の根源を消すことが、あなたの仕事じゃないの?」

皆様いつも読んでくださり、ありがとうございます。


突然ですが、テスト期間に入ってしまいましたので、一時的に投稿を毎週金曜のみにしたいと思っています。


テストが終わった後、再び2日に1話に戻そうと考えています。


2週間ほどですが、よろしくお願いします。


投稿はやめないので、どうか次回を楽しみにしていてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ