/2(30+10)-5/ Combination
柊木がこちらを見た。
「お、和也じゃん! まだ生きてたんか〜良かったー」
感じのいい対応だ。だが嫌な予感がする。
あの兄妹が両隣にいることが気がかりだ。
「その隣の人たちは?」
俺はそう言ったが、なかなか言うのに勇気が必要だった。その兄妹はずっとこちらを見ているからだ。
「ああ、2人は俺の兄と姉。俺は2人の戦い方とか参考にしたんだ」
まじか。通りで似たような戦い方で、スキルも似ているわけだ。
続けて柊木は言う。
「で、そちらの隣はいいとして。どうしたんだ? なんでそんな自身の槍を強く握りしめてるんだ?」
は、言われるまで気が付かなかった。無意識に握ってしまっていたのか。
「それに左足を前に出して後ろに右足を置いている。お前は既に戦える構えをしているわけだ。つまり、俺らに敵意を向けているということだよな?」
バレてる。柊木ってもっと夢を追いかける主人公系で天然なやつじゃなかったのか? こいつ実は細かいところまで見てたのか。
敵意がバレてるなら、倒すしかない。だがどうやって? いや、敵意をむき出しだからって倒す必要なんてない。このまま協力して、二人で1位、2位になればいい。
よし
柊木は俺に向かって笑顔を見せ、口を開いた。
「俺は嬉しいぞ、お前が生きてて」
すると柊木は、思いがけないことを言った。
「俺はお前を、この手で殺したい」
「は?」
いやいや、建前だろ。まだ10人残ってるし、やるとしてもまだ俺を殺さなくていいだろ。
そうだ、そうに違いない。
柊木は頭を抑え、崩れた顔を隠すしながら言う。
「俺はぁ! この戦いで最も楽しみにしてたのは、まさにここだ。今回の1位は本社に行くことが可能であり、さらにはプロになれる資格を得ることが出来る可能性が非常に高い。ならば、俺は夢のために動くしかないだろ」
柊木はそう言いながら身にまとっているロボットスーツから赤いオーラを放ち、後ろの中から髪の毛を外へ流した。
あの姿は、まさしく柊木の全力の姿だろう。
その姿を見たガス男は俺にもうひとつのガスマスクを渡した。
「つけろ」
俺はガスマスクをつけ、再び彼らを見る。
するとその兄妹は柊木の肩を掴み、姉が言う。
「融合」
すると彼らは柊木のロボットスーツの中に液体のように入っていき、姿を消した。
その瞬間、柊木のロボットスーツは一つ一つパーツが別れ、中身の低身長の柊木が現れるが、その姿は徐々に伸びていき、姿は女性らしくなると同時に髪の毛は以前のように伸び、その姿はなんというか、筋肉質なクールの女性へと変わった。
代わりにロボットスーツは手袋のように手に身につけ、他のパーツは合体させて3つの盾のようなものを作った。
『これが俺の……いや、俺たちの1つになった姿だ。弱点などない完璧な、私を見るがいい』
柊木の周りにはオーラがあり、赤でも青でもない。紫色へと変わっているが、髪色は赤に近い。
少し距離が離れているだけでも、柊木の強者ということは身に染みてわかる。
「弱気になるな。俺らにもチャンスはある」
俺が1歩足を引いたところで、ガス男はそう言ってくれた。俺はそれだけで心の支えだった。
すると柊木はロボットの盾の1部を足にみにつけ、クラウチングスタートの姿勢をとる。
来る。
柊木は爆弾を爆発させたというほどの砂埃を出してこちらへ向かって走ってきた。
速い。
ガス男が煙の壁を作った瞬間、俺はすぐ横へ避ける。しかし柊木はそれを予測していたのか、俺が避けた先に煙の中から姿を表し、俺と目を合わせた。
これは、負ける。




