/23×3/ Amazing
神奈さんは話し始める。
「私は……私の友達は去年、1位でこの部活に入部しました。そしたら、罵倒されたんです。『お前のせいで俺たちは入れなかった』、『お前がいなければ良かったのに』まるで今年のあなた達みたいですね」
余計なことを
神奈さんは余計な一言を言ったが、皆はなにも反応せず、彼女の話を聞いていた。
「それで、私の友達は部活を辞め、学校へ来なくなってしまいました。今年はそのようなことにならなくて良かったです。さて、その友達の枠、どうなったと思いますか?」
まさか、彼女は俺の想像を超えるほど、理想を超えるほどの行動だった。
「私の友達の代わりに、この筋肉男、熊谷武蔵が入部したんです」
ざわつき始めた。彼女は一体、どこまで話すつもりなんだ。
「私の友達が抜け、代わりに2位の人が1位になりましたが、1人枠が増えました。その枠に入ったんです。入り方は、2回目の入部選抜をやって入部したんです。もちろんこれは異例です。しかし今回の彼、長谷川くんの例。これも異例ですよね? だから、私は2回目、10位決定戦をやることを推奨します」
まとまり良く終わった。しかしざわつきが治まらないのはなぜだ? 嫌な予感がする。
するとあの2位の男が、口を開く。
「なら、1位も再決定する必要があるのでは?」
1位になりたいだけだろ! なんて言えない。もっともな意見だ。
俺は前に出て神奈さんをのけてマイクで言う。
「そのつもりです」
人だかりが無くなり、俺と柊木、神奈さんの3人と先輩方が残った。
すると部長が話し始める。
「あなたから昼休みに話は聞いていた。ちなみに、このことを許可を出したのは私です。だから責任は私にもあります」
すると小暮先輩は少し大きい声で言う。
「なんで皆がいる前で言わなかったの?」
部長は答える。
「だって皆の前で公式が発表したらやる気のない奴らも来るかもしれないでしょ? やる気のある人たちだけで参加してくれると嬉しいからね」
俺は少し心にぐさっときた。
筋肉先輩。いや、熊谷先輩は俺と神奈さんへ鋭い目線を送る。
にしても、神奈さんはよくやってくださった。俺は俺の意見に賛同することを自身の経験を踏まえて発表してくださると嬉しい。と書いただけなのに、熊谷先輩の裏を公表すると同時に10位決定戦の根拠まで付け足してくれた。感謝しかない。
俺はそのまま部活の人たちと挨拶し、帰ろうとした時、部長が俺を呼び止めた。
「本社の人から本社への招待状が来てるんだけど、きみが1位かどうかまだ不確定だから、返事は遅らせて頂くって言っちゃえばいいよね?」
俺は頷いた。するとまだ要件があるのか、先輩はまだ俺の傍におり、予想どおり話し始める。
「君には驚かされたよ。まさかこんなことが起きるなんて思っていなかった。実は私はこのことを聞かされていたんだ」
そうか、さすがに部長には言っているのか。
「だからさ、ほんとびっくり。要約すれば2人入部可能になったってことだからね。頑張ってね。私は応援してる」
「ありがとうございます!」
俺は部長へ深くお辞儀し、帰った。




