/21×3/ Finished
なんでまた戦わなきゃいけないんだ。
もう、疲れた。
一応、時音の闘志を無駄にしない為にも、俺は槍を構えて彼女と向き合った。
俺が槍の構えを緩めた刹那、彼女は俺の体に近づき、紫色の四角を俺の体の中に入れた。
速い。この速さ、まるで瞬きした時のあの男の速度みたいだ。
紫色の四角が体の中に入っただけなのですぐに後ろに下がる。
なんともない。紫は何も無いのか?
俺は再び構え、今度は緩めないように力を入れる。
すると時音はまた前かがみになってこちらに近づき、今度は殴ろうとするが槍で抑える。
抑えたはいいものの、衝撃が強い。かと言って吹き飛ぶほどではないが、見た目の割に重い拳だ。
俺は立て直し、前を向くが既に彼女は俺の腹に拳を入れていた。
だが、なんともない。
彼女の拳を受けても、今回は重くなく、ただ触れただけの様だった。
彼女は俺の腹から拳を離し、少し距離を置いて言う。
『おつかれ』
その言葉に驚き、腹を見るが何ともない。
一体どういう……
少し、3秒ほど経った瞬間、俺の腹、腕、頭、背中、全身にまるで拳で殴られたような痛みが走った気がした。
「あああああああ」
俺はその痛みに耐えられず、倒れ込みそのまま俺は死んだ。
〖サーバがダウンしました。強制退出します〗
システムの通知がきた。
これは文字通りだ。強制退出、つまり、落ちた。機械が熱くなったのだろうか。負荷がかかり過ぎた?
疑問に思いながらも、目を開けるとそこは現実、ピンク色の水で浸っている場所だった。
戻ってきた。
俺は手をカプセルの扉にかざしてカプセルを開き、出た。
出た瞬間、自分の体から流れる水が落ち、水しぶきの音が部屋の中を響かせた。
カプセルを出て横を見ると、まだ小暮先輩はカプセルの中に入っており、まだプレイしていることが分かる。
俺はスーツのボタンを押してキューブにし、すぐに着替えを初め、荷物を持って上にあがり、おばちゃんの所に行った。
するとおばちゃんは目を丸くして言う。
「あらぁ、あんた言った割に早かったね。3時間だよ」
あの時間が3時間。到底3時間に起きたことだと信じ難い。
俺は3時間分の料金を払い、そのまま家に帰った。
家に帰る途中、考えた。
俺は強制ログアウトされて落ちたから、周りからは”抜けた”っていう風に見られるな。嫌だなぁ。
てか結局1位から10位は誰なんだろうか。気になる。
明日が楽しみであるとともに、怖かった。もし自分が10位以内に入っていなかったらどうしよう。
俺はそう思いながら、夜道を帰った。
次の日、俺は学校に少し早めに来てしまった。前より20分くらい早い。
俺は自分の机でスマホを見ていると、柊木から連絡があったことに気づいた。
昨日は帰って直ぐに寝ちゃったからな。忘れてた。
柊木とのトーク画面を開くと、それは衝撃的であり、思わず2度見してしまう程だった。
それはゲームの中の画面、いわゆるスクショだが、そこには順位が載っており、1位は、俺だった。




