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Overwrite -オーバーライト-  作者: もちぷよ
This is the start
5/69

*5 What do you want ?

〖チュートリアルを始めます。スキルを選んでください〗


そう言われ、目の前に青いディスプレイが現れた。こんなのアニメとか映画とかでしか見たことない。ちょっと嬉しい。いや、まるで自分がアイアンマンになったみたいで、めっちゃ嬉しい。


〖スキルを選んでください〗


()かされた。言われた通り画面を見ると、スキルが3つ書いてある。


〖魔法〗〖剣士〗〖その他〗


王道だ。しかし、その他はなんだろう?めっちゃ気になる。

そう思い、私はその他を選んだ。


〖選択を確認(その他)〗


〖選んでください〗


次に表示されたのは、


〖意識〗〖行動〗〖その他〗


どのような意味だろうか。しかし、またその他がある。ということは?決まっている。


〖選択を確認(その他)〗


〖選択してください〗


〖支配〗〖解放〗〖その他〗


ほう、今回はどのようになるのか意味が分かりやすい。いやぁ、ここまできたらねー?


〖選択を確認(その他)〗


〖確認しました。分析を始めます〗


お?今回は違うぞ?少し期待。


〖チュートリアルを始めます〗


は?え?チュートリアルって能力のじゃないの?


そんな事を嘆いていると、自分の周りに俗に言うゴブリンが現れた。表れ方はあまりにもリアルで、細胞から筋肉、骨まで、すべて一から組み立てられたようなものだった。

さらに、ゴブリンの肌はざらざらと乾いた鱗のようであり、緑色に染っている。


「ギギギッ」


うわっリアルすぎてキモい。しかもナイフ持ってるし。これ刺さったら、痛いよな?


「ギギギ、ギャッ」


奴らはジャンプし、私に向かってきた。ジャンプした隙を見て、私は走り抜け、逃げた。

しかし、簡単には避けられず、私の頬をナイフが(かす)めた。


こんなの無理だろ!何も出来ないのにあいつら倒すなんて。その他ばっかりにしなきゃ良かった。くそぉ。


私はとにかく走って走って走り続けた。幸い運動能力には自信がある。

殺風景な場所を走り続け、体力も無くなってきた頃、奥に人が見えた。私は奇跡だと思い、直ぐにその人の所へ向かった。


「助けてください!ゴブリンが、」


「ゴブリン? どこだ?」


その男の人は鋭い目で周りを見渡した。彼はは筋肉質で、とても頑丈そうだ。

話をしていると、12体のゴブリンが迫ってきた。彼のディスプレイに表示されていたのは〖支配〗〖解放〗だった。私は直ぐにそのディスプレイの〖支配〗を押した。


「おい!なんで勝手に押してんだよ!」


「あ、あ、えっと、」


その男性は私の近くに寄り、威圧してきた。すると、ゴブリンが我々を襲う。


〖エラー発生。登録者二重確認。優先者選択。確認〗


「はぁ?」


私は男がディスプレイに意識を向けたところを見計らって咄嗟に男性を押し、ゴブリンの盾にした。


「ぐはっ」


男性は血を流して倒れてしまった。私はそのまま後ろに下がる。

私は足が震えて立つことを耐えられず、崩れてしまった。


「ああ、やっちゃった。いつもこうだ。いつも、いつも」


私はいつも、危機的状況になると周りが見えなくなる。そして、周りを「犠牲にしてでも」私は自分が生き残る、良い選択肢を選ぶ。選んでしまう。


しかし、これはゲームだ。そのような行動が、ゲームでは優位に立つのだろう。私は、悪くない。悪くないとしか考えようとしたくない。


すると、男性の遺体の原型が無くなるとともに黒い液体に変わり、私に向かって飛んできた。


「は?」


私は反応できず、その液体に全身を飲み込まれてしまった。


真っ暗だ。何も見えない。何も音がしない。ただ、自分の罪悪感がより感じるだけだった。私は、頭を強く抑えて何も考えないように努力した。何が起きてるの。ここから出して!

もしこんなのでシステムエラーが起きましたなんてきたら本当に泣くかもしれない。


〖分析完了。確認しました〗


私は目を開くと、立っていた。目の前にはまだゴブリンたちがいる。私に気づいていなさそうだ。下を見ても彼の死体は無い。


私が一歩踏み出すと、ゴブリンたいも同時に動き出した。また飛んできて反応ができず、手で自分を守る。すると、「ギギャ」と言う声と、何かの液体が飛び散った音がした。

目を開くと、私の手のひらから伸びた黒い液体が、ゴブリンの腹を突き刺している。それも6つに分かれて。


「は!?なにこれ」


後ろにいたゴブリンたちは、その光景に唖然とし、動いていなかった。

私はそのゴブリンたちにも手のひらを向けると、手のひらから6つに液体が飛び出し、ゴブリンの腹を突き刺した。グロい。

すると液体は手のひらへ戻り、消えた。

なんなのこれ。あまりにもグロいというか、キモイというか。それにこの液体、あの人のだよね?怖すぎ。

すると倒したゴブリンも黒い液体となり、自分に集まった。


〖メインスキル-死者の権限-を取得〗


これが、わたしのスキル。嫌かも。


〖メインスキル2-細胞の具現化-を取得〗


え?なんか、かっこよ。


〖お疲れ様です。チュートリアル終了です。キャラメイクに移りますか?〗


〖はい〗〖いいえ〗


わお、キャラメイクできるんだ。でも2人を待たせているだろうし、戻ろう。


私は〖いいえ〗を選んだ。

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