/10×4+1+2²/ Did you see me ?
こいつ、俺の事を”弱い男”って言いやがった。もうそんな事は言わせないぞ。ついさっきまで急に柊木と、修行をしてたからな。
俺はすぐ槍を構える。
「あいつ、なんなんだ? 髪がスライムって、きしょ」
柊木はそう言うと、ガスマスクは感情的になって答える。
「しょうがないだろ、好きでやってるわけじゃねぇんだよ」
すると彼は足で地面を強く叩き、髪から発するガスを辺りに充満させる。
まずい、吸う!
柊木はすぐに俺の口元にマスクを装着させてくれる。
俺はそれを確認したと同時にガスマスク男へ突っ込み、槍を伸ばす。
なに!?
俺は完全に隙を突いた。突いたはずなのに、防がれた。しかしガスが充満して、今どのような状態になっているのかが分からない。
ガスの煙が消え、状況が目に見えるようになる。
俺は、目を震わせた。その目に映る光景は、あまりにも衝撃的だった。
「なんだ、どうした? これだけで俺の勝ちは決まっていないだろ?」
俺の槍は、黒い壁に突き刺さっていた。その壁はまるで、杏奈の黒い液体のようなものでできた、壁だ。
すると黒い壁は液体へと変わり、俺の槍は抜けた。
すぐに柊木の横に戻り、手の震えを抑えるために、力を込める。
「お前、なんでそんな震えてんだ?」
「いやだって、あいつがあのスキルを使えるってことは、杏奈は既にガスを吸ってあっち側になってるってことで、さっきのは遠隔で壁を作ったって事なんじゃないんか? そんなん、勝てねぇよ」
俺はハッとし、すぐ後ろで杏奈と神奈さんが戦っている光景を見た。あれは、本当に杏奈だろうか。
すると俺は顔面を殴られ、倒れ込んでしまう。
俺は起き上がり、確認すると、そこにはガスマスク男がおり、俺を殴っていた。柊木は反応せず、そのまま立っている。
なぜだ、なんで攻撃しない!?
「こいつはぁ、ガスではなく、俺の髪の匂いを嗅いじまったみたいだな。ガスは俺の髪から発する。持続的に発するものでな。出てきた瞬間は密度が小さくてこんな機械でもすり抜けちまう。だから近くなればなるほど吸っちまうわけだ」
しかし操られた人は目を合わせなければ動かない。あいつに目を合わさなければいいだけの話。ん? なら神奈さんはなんであんなずっと動いてんだ? いや、今はどうでもいい。目の前のことに集中しろ。
俺は槍を支えにして立ち上がり、ナイフに変えて構え、飛び出す。
「おいおい、近接しちゃだめだろ?」
「俺の周りの気体、液体が無くなる速度をy、毎秒をxとする。その時、関係を表す式はx=0、ただし、身につけているものは例外!」
すると俺の足の型を取るように消えるようになくなり、俺はこけそうになる。しかし踏ん張り、俺はガスマスクの元へ向かう。
やつも武器のようなものを取りだし、俺へ向ける。
俺はとにかく先程のように何も気にせず突っ込む。
彼はどこか恐ろしい顔、もしくは驚いたような顔をする。すると彼の周りは黒い液体で覆われ、自分の身を守るが、そんなの関係無い。俺の数式は間違っていないので、液体は一瞬で消える。
「x=0じゃい!」
俺はそう言って、ガスマスク男のガスマスクを思いっきり切断した。同時に俺のMpは切れ、その場に座る。
「ん、うわぁあ!」
奴は壊れたマスクを押えながら、後ろに下がる。
あいつ、倒れないんか。まぁそもそもなんで抑えるかは知らんが。倒すためにも、やるしかない。
俺はやつにとどめを刺すために、ナイフを投げる。すると男は黒い壁を作り、ナイフを防ぐ。
「変われぇえ!」
俺はそう言ってナイフを槍に変え、残った気力全てを出し切り、壁に埋もれた槍を押し込む。
見事刺さったのか、彼の悲鳴が聞こえる。
「うあああぁあ」
すると壁は無くなり、槍は落ち、彼の姿が現れる。その姿は恐ろしく、見ていられないほどだった。
口、鼻は溶け、液体のように緑色になって垂れている。
すると彼は口元を手で抑えて、言った。
『お前、見たな?』




