/3.8(5+5)/ Have you killed you ?
くそ、もっと時間を置いて確認してから出ればよかった。
立ち上がり、周りを見渡すと、全て無くなり、水平線のように平らな荒野へと変わっていた。
しかしそんな事はどうでもいい。なんで殺したはずのやつが生きてるんだ?
俺は気になり、聞いてみた。
「なんでお前生きてんだよ」
すると彼はこちらに手を差し伸べ、答える。
「君にもチャンスをやろう。君は今の”スキル”で満足か? この注射器を使えば、君のスキルは生まれ変わる。私は嘘をつかない。どうだ?」
彼の手には、先程までなかった注射器が現れていた。その注射器の中身は黒く、刺してはいけないものだと、肌全身がそう言っていた。
「俺は努力すればするほど強くなる。強くなるにしても、そんな怪しいのは使わねぇな」
俺はそう答えを出した。
彼は手のひらに、杏奈のスキルのような黒い液体の球を両手に現し、こちらへ向ける。
彼の声のトーンは低くなり、俺に伝える。
「後悔しろ」
彼の球はこちらに伸びるが、杏奈とは違い途中で黒い煙へと変わる。
俺はすぐ口を服の袖で守るが、鼻は抑えられていない。まずい。
「弔いの歌:埋葬」
煙が目と鼻の先になった瞬間、地面の中へ引き込まれた。
引き込まれた先には神奈さんがおり、そこは土の匂いが臭く、炎の剣の光しかない、いつもの暗い地下室だった。しかしいままで、神奈さんは何をしていたのだろうか。
すると神奈さんは俺の両肩を掴み、言う。
「あれを一緒に倒しましょう。私はさっきまで、あなたの周りから来る敵を、戦いの邪魔にならないように倒しに行ってたの。でも、様子が変。その倒した人達みんな、目が全部黒くて、体から黒い煙を発してた。さらには黒い煙を吸うとそうなる。その煙は、さっきの彼が打った煙と、同じ煙」
なるほど。どういうことだ? 周りの人達は黒い煙を、黒い目をして体から放つ。で、あのガスマスクは他の人と違い、煙を操る。てことはあいつが煙を操る主導者の可能性が高いのか。なるほど。俺天才だ。
すると炎に燃える剣から徐々に、地下室全体へ広がっていき、土の匂いよりも暑さが勝ってきた。
なんでこんなことになってるんだ。
「私が長居してたところ、あなたを呼び出した。この”埋葬”は、長くいると燃え始めて、死ぬの。そういうスキル。だから早く出ましょ」
やばいじゃん。
俺は神奈さんの手を掴み、今回はガスマスクが居ないのを確認して、地上へ2人で上がった。
はぁ、地上がすごく涼しい。最高。
地上に出て神奈さんと立ち上がる。しかしなんだ、周りから視線を感じる。
「来る」
神奈さんの言葉に反応し、後ろを向くとそこには黒い目をした火縄銃を持った男、ミニガンを持った男など、様々な人がいた。彼らの目はガンギマリ、目の光がない。
あの時のチーミングたちだ。
神奈さんは火縄銃側へ刀を構え、俺はミニガン側に槍を構える。
しかし彼女は刀を刀装具に戻し入れ、言う。
「こっちは楽勝だけど、そっちは?」
背中を合わせ、互いに息を合わせる。
「こっちも楽勝ですね」
すると神奈さんはすぐにスキルを発動させ、彼らを一掃した。
「弔いの歌:魂灯」
そのスキルはまさに魂の明かり。青く光る炎は、彼らを焼き尽くした。俺はあまりの冷たい炎に気を取られ、後ろを向いてしまった。
ミニガンを持ったチーミング達へ、背を向けてしまった。
まずいと思い、すぐ正面を向くが、俺に対して何もしてこなかった。しかし目を合わせると、彼らは動き始める。
その間があったおかげで、俺は余裕ができ、ミニガンの上に乗って球の軌道を変え、彼の頭を切り落とす。同時に左にいた敵、1人の頭を掴み、ビームを放ち、爆発させる。
さらに槍を投げて3人を串刺しにし、槍をナイフに形を変えてすぐに抜き取る。
こいつら、目を合わせなければ攻撃してこない。ただ動くだけだ。
さらにナイフを目の前にいる敵に刺し、槍に形を変えて後ろの敵を貫く。また形を変えてすぐ抜き取り、目を合わせて襲ってきた敵をナイフで刺す。
周りに敵は見えず、全てを倒しきった。
終わったか。
俺はナイフを抜き取り、神奈さんと一緒に適当な場所へ向かう。
歩いていると左奥ら辺から話し声が聞こえた。
何かと思い、神奈さんと向かうと、そこは先程ガスマスクと自分がいた場所。しかしそこには、その男がいたが、彼の正面には杏奈がいた。




