/5²/ Which are you?
あのロボットの装備の腕部分。少し厚くなっている部分から、弾が飛んできたのだ。
彼に気を取られていると、ミサイルは既に1m以内に入った。
俺はすぐに言った。
「ミサイルをげん……」
「ボカン」と音を鳴らして1つのミサイルに直で当たってしまった。それと同時に他のミサイルが被爆する音がした。間一髪で槍でガードしたから良かったものの、死ぬところだった。
しかしまて、被爆しなかった他のミサイルは?
後ろを見ると、俺を通り過ぎたと思われるミサイルが、俺を探知して戻ってきた。
やつが銃を打てたのも、納得がいく。誘導ミサイルだが操作していない。ただ俺に着いてくるだけだ。
なら……
俺はインベントリから煙幕を出し、床にうちつけて煙を出した。
これでミサイルは俺を認識できず、手動で操作するようになる。
俺はすぐに槍を構え、先程奴が居た所へ向かう。
「槍先を原点とし、上をy、横をxとする、ビームの座標は、」
煙から出た先には、あのスタイリッシュなロボットが突っ立っていた。
見えた、柊木!
「y=10」
そう言って槍先からビームを出し、槍を投げ、柊木へ槍が突き刺す前に、ロボットをビームが貫き、上半身と下半身が別れて床に倒れた。しかし、中は空っぽだ。
嘘だろ、じゃあ中身は……
気づいた時には遅く、既に人が後ろにいた。
俺は殴られて5mほど先まで飛ばされる。
まさか、あれが中身?
すぐに立ち上がり、姿を確認した。中性的で、ショートヘア、黒と水色の髪の毛、そしてさらに水色の線や模様が入った紺色のスーツ、腰にマントのようなヒラヒラしたやつが付いていた。
緊張の中でも、そんな事を思わせてしまうほど、なぜか見入ってしまう、意外さがあった。
恐らく、あれが柊木なんだろう。
柊木に気を取られていると、後ろからなにかに殴られた。
まさか瞬間移動?
すぐ後ろを見ると、それは人でなく、ロボットだった。
そのロボットは先程と違く、赤いオーラを纏っている。なにか違いがあるのだろうか。
すぐにインベントリから別の黒い槍を出し、そのロボットと面を向き合う。
拳が、早くて、重い!
ロボットの打撃は重く、槍で受け流すのもやっとだ。
この機械の拳を受け流していると、横からナイフを持った柊木が俺に襲いかかる。
距離をとるためにロボットを蹴り、柊木の攻撃を避ける。どういうことだ、柊木はこちらにいた? じゃあロボットの中身は空?
距離を置くと、2人は立ち止まり、威圧を感じさせる。
「柊木はどっちだ」
俺の質問に、人の方が答える。
「残念ながら、ある意味どっちも俺だ」
そう言うと、ロボットは飛び出し、俺に襲いかかる。すると同じく柊木が後ろから現れるが、来た瞬間に槍を如意棒のように伸ばし、突き刺そうとするが、横に避けられる。
しかし俺はそれを見越して横に振り、彼の横腹へ強打する。
彼は倒れ、「ぐは」と声を上げた。
次はロボット。と思い、見るがロボットの動きは殴ろうとした状態のまま、止まり、先程と同じように半分になって倒れるだけでなく、より細かく赤いオーラが消えてバラバラになった。
一体何が
とにかく、この隙を見て、俺は先程投げた愛用の武器を取りに行った。
その武器を取ると同時に、先程まで持っていた槍はインベントリに戻した。
愛用の武器を構え、後ろを振り向くと、柊木が手を伸ばしてこちらに歩いてくる。
するとロボットの各パーツたちが赤いオーラを再び纏って動き出し、飛び、柊木の手の先から順に、パーツが取り付けられていく。
全てのパーツが取り付けられた彼は、元の人の姿の2倍ほどの背の高さになっていた。先程までそんな高かっただろうか。
俺がその光景を何もせずにずっと見ていたからか、柊木は話し始めた。
「驚いたか? これが俺のスキル『所有物』だ。俺が所持しているものはなんでも動かすことが出来る。だからこのロボットもスキルで動かしている訳だ。」
そういうことだったのか。というか、それならなぜ肉弾戦をやったんだ? 武器を使った方が強いのでは?
まぁ、なにか他に条件がある。もしくは個数制限があるのだろう。もしくは、煽りか。
よく見ると、先程までの赤いオーラが消えているが、隙間から赤く見えている。これがスキルの効果が働いている証拠か。
柊木は腕を組み、物理的にも上から目線俺に言う。
「これで分かった。お前は、弱い」
それを言える根拠はあるのだろうか。さっきの戦いでどちらが優勢だったか忘れたのか? いやまぁ、あっちが優勢だっかもしれないが。
「そう言える根拠は?」
なにか切り札でもあるのかと思い、聞いてみた。
しかし俺の質問には答えず、一人でぼそぼそ何かを言った後に、彼は言った。
「第2形態。解放」




