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Overwrite -オーバーライト-  作者: もちぷよ
This is the start
13/82

*13 Can you help me ?

「恐れていることは大抵起こる」これをマーティーの法則と言うらしい。映画で習ったが、その法則はどうやら間違っていないようだ。


「すみませーん、子供がトイレを使いたくて、」


なぜ今? ちょうど「人来るなよ」って思ってたのになぜ来るんだろうか。


「ちょっと、今着替えてます!」


なぜ本当のことを言ってしまったのだろう。こういう時は時間かかるよう「腹下してます」などと言えばよかった。


「早くしてください」


その時スーツはまるで分解されるかのように完全に形を変え、このスーツが精密機械ということがわかるくらい、内部の複雑な配線や青白い光を放つ基盤が剥き出しになっていた。動いたら今にも壊れそうだ。


〖完了まで10、9、8……〗


え、まってカウントダウン始まったんだけど。これ、大きな音とか出ないよね? でもさっき〖登録した服を読み込み〗とか言ってたから大丈夫なはず。何も問題は起こらないはず……


〖4、3、2、1、完了。読み込みます〗


すると、上に水色に光る円が現れ、私を通して下へ(くだ)る。まるで、服屋の時のように、姿が徐々に変わっていく。


その姿は、私がゲームできていた服。まさにそのものだった。やはり、この服は他の服とは違い、着心地が良い気がする。現実でこれを着られると思っていなかったので、とても嬉しい。


私は驚き、様々なポーズをして自分の姿を確認した。


「うぇーん、うぇーん」


まずい、本当に子供がいた。というか10秒ぐらい待てないのだろうか。いや、自分も子供の頃は待てなかっただろう。申し訳ない。


「すみません、服が……」


「やーっと開けてくれた」


私が扉をゆっくり開くと、外から扉を掴み、風の音が分かる勢いで扉を開けられた。


目の前にいるのは「子供連れの母親」などではなく、あの時施設で見た私の憧れの人だった。


私は彼女の美しさにまた魅了され、驚いたとともに、彼女が握る黒い機械に目が行く。それはよく映画で見る「スタンガン」だ。


「え?」


「バチン」という音とともに、私は地面に顔を打ち付けた。床にはスマホが落ちており、そこから子供の泣き声が流れていた。

意識は朦朧(もうろう)とし、彼女へ手を伸ばすが、私は眠りについてしまった。




「お、目覚めた」


知らない天井。そこはまさにあの時見た施設。あの時居た施設の中のようだった。壁、匂い、奇妙な機会の音。それら全てがその施設ということを認識させた。


目の前には「ラー」ではなく、ただ白衣を着て丸眼鏡をかけ、茶髪のポニーテールの女性。まさに、私にとっての保健室の先生だ。


彼女は私に腕を肘掛に起きながら手首で私に手を振る。私はそれを見て、手首で振り返す。

振り返した時、私に覆いかぶさっていた布団の上に腕を乗っけると布団の冷たさを感じた。

「まさか」と思い、下を見ると裸……ではなく、ウインドブレーカーを脱がされており、


すると、扉の奥から声が聞こえ始める。なんと言っているかは聞こえないが、足音が大きくなると共に内容が分かるようになる。


「だから、別にいいだろって」


「いやいや、見たいだけでしょ思春期くん」


「だから思春期じゃないって」


若々しい声と大人びた声が聞こえる。扉が開くと、その声はより鮮明に聞こえるようになる。


「あ」


男子の方は私の姿を見て、目を逸らすが、もう1人入ってきた女性に後ろからスマホで後頭部を勢いよく殴る。

あまりの勢いに、彼は倒れてしまった。


え? もしかして、死んだ?


どうせ生きているのでそんなことは構わず、その女性。女性と言うよりも、女子高校生(JK)というのが正しいかもしれない。長い茶髪の髪の毛、青い目、グレーのセーラー服と赤いリボン。見た目はThe JK という感じだが、どこか大人びた感じがする。


彼女は私に近づき、話しかけた。


「あなた、名前は?」


「七海杏奈です」


「そう、私は鈴木(ゆい)よろしくね」


「あ、はいよろしくお願いします」


私は彼女に対しての不審感が少しだけ溶けた気がする。なので私は質問してみることにした。


「ここは、どこですか?」


まだ確信が持てないからだ。もしかしたらただ、似ている場所なのかもしれない。その場合、本当にどこか分からない。


「ここは……」


彼女が言いかけたところで扉が「ドン」と大きな音を立て、外から沢山の黒い服を着た人が拳銃を構えて部屋に飛び込んできた。彼らの拳銃の先が指す場所は、全て私だ。

すると最後に、あの時見た。タンクの部屋に入った時後ろに現れた人が、私の前にいる白衣の女性の隣へ並んだ。

あの時の恐ろしさは今でも覚えている。さらにその恐ろしさは、目の前の威圧でより増した。


部屋を満たしていた殺気が、ふっと消える。銃口は私に向けられたままだが、その男の瞳には、敵意とは違う、なにか別のものだった。

そして彼は、静かに、しかしはっきりと告げる。


「君に、頼みたいことがある」

最後まで読んで頂きありがとうございます!

是非、参考にしたいので感想やご意見の程、よろしくお願いします!


みなさんのおかげでここまでやっていけてます! 本当にありがとうございます!


次回も楽しみにしていてください!

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