*10 Can I live?
暖かい。血とピンクの液体が混ざり、血の濃さが目立ち、花のように広がる。下に落ちていき、力が抜けていく。少し心地が良いかもしれない。そう感じてしまった。
そんなことを思っていると、自分の着ていたスーツが、ゲームの時装備していたものに見えたり見えなかったり。スーツと服が交互に現れる。時々白い服が私を覆っているように見えた。
現実とゲームの境界線が、まるで電気を付けたり消したりしているかのようにパチパチと変わる。一体何が……
下へさがり、下がり、最終的には床に着いた。痛みはもはや無い。上からは白い光が差し込み、自分の目を刺激する。死ぬ間際だからか、全てが綺麗に見える。
水の動き。壁。光。色。スーツ。穴。
まて、穴? まさかこれらの穴は、通路?
そこにあった穴とは、恐らくゲームをする時に上から流す為の水の通路。私はその通路が綺麗に思った。どうかしてる。
ここから出られるのではないだろうか。しかし、出たところで周りに迷惑をかけ、自分の将来も終わっている気がする。やはり出る意味などないのではないだろうか。
「ボコボコ」と口から泡が出た。苦しい。息が持たなく、あと少しで切れそうだ。考えるよりも先に体が動き、水をかくようにして穴の中へ入った。分からない。分からないがどんどん進む。
心は諦めていても、体は違うらしい。
〖マスクをつけてください〗
え? この声って、システム? なんでシステムの音声が聞こえるんだ。ここはゲームではないはず……とりあえず、私はマスクをつけた。
水中なので水がみっちり入っているが、「ぷくぷく」と音を立てて水を排出し、呼吸を楽にした。
水をかいて進んでいると、奥に光が見えた。私はとにかく、その光に向かって泳いだ。
とうとう端にきて、穴の外に出ると、そこにはまたタンクの中だったが、上へ上がると酸素があった。
私はすぐに深呼吸をし、自分を安心させた。
深呼吸すると共に周りを見渡すと、先程私がいた、貯蔵庫らしきとこに似ている。というより、もしかしたら戻ってきたのかもしれない。水中で何度も曲がったりしたからだ。
不安だ。また奴らがいるかもしれない。
それでまた撃たれてしまうかも。
私は水の中から出るために、タンクの端をもち、力を入れて踏ん張るが、撃たれたところが痛み、また水中に戻ってしまった。
水の中では痛くなかったのに、なぜ意識すると急に痛くなるのだろうか。
私は上がれ! と心の中で叫び、体を一直線にするように力を入れた瞬間、急に上へ上がり始め、タンクの中から魚のように飛び出した。
いったぁ
「バタン!」と勢いよく上がった代わりに勢いよく落ちた。水を沢山飲み込んでしまったので咳が出てきた。
地面への衝突で傷口が酷くなってないか確認したが、確認すると、傷が無くなっていた。なぜ? とりあえずまず逃げなければ。
右足で踏ん張り、左手で床を押して、ゆっくりと体を起こした。
私は目の前に扉があったので、その重い扉を恐る恐る開け、中へはいる。私は撃って来た人達が恐らくここから出てきたのを承知の上で開けた。
しかしやはり場所が違うのか、誰も居ない。そして、カラオケではなく、事務所のような、言葉に表すことが難しいような場所だった。
私はそのまま十字路があっても真っ直ぐ歩いて行き、出口を探した。
「あいつ死んだんかな?」
「死んでるだろ」
右奥から、人が話す声が聞こえた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
皆さん改めましてこんにちは
作者のもちぷよです。なんか前回は急に出現して勝手に次回予告し去っていった人なので、改めて自己紹介を。
現在、自分はピチピチの高校生。色々やって頑張ってます。
皆さんのpvとブックマークが、自分の小説を続ける支えです。
これからもよろしくお願いします!
次回も楽しみにしていてください〜