伝説の英雄①
私は白井音色
2年間、超絶ブラック企業に勤めてきた。しかし、心身共に不調をきたしたため、ホワイト企業で有名な「真っ白カンパニー」に転職した。
転職してから数日後、私は気づいた。ホワイト企業では燃えられないということを……。だから、私がこの会社を立派なブラック企業にしてみせる!!
ブラック企業には、「伝説の英雄」がいる。
それは、ブラックな労働環境下でも、20年以上平社員として働いている人だ。
以前勤めていた会社には、「川原さん」という「伝説の英雄」がいた。
「伝説の英雄」は特殊なスキルを持っている。その1つを今回は紹介しよう。
【ジャンピング土下座】
「おい、川原! 何だ、この資料は!? データも間違っているし、論理的に説明できていない! お陰で、今日の会議で俺が恥をかいただろ!!」
当時の課長が言った。
資料は自分で作ったクセに、失敗を川原さんに押し付けている。言い掛かりだった。
すると、川原さんが全力で課長の元へ走っていき、課長の前でジャンプした。そして、空中で土下座の姿勢になり、膝から着地した瞬間……
「申し訳ありませんでした!!」
と大声で言った。
課長は、川原さんのその行動に戸惑い……
「お、おう、次からは気をつけろよ……」
と言った。
ある時、私は川原さんに聞いた。
「ジャンピング土下座は、一撃必殺なんです。しかし、頻繁に使用すると効果が薄れてしまうんです」
「な、なるほど……」
私は納得してしまった……。
この人なら、どんな劣悪な環境にも適応していけるだろう……
流石、伝説!
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
よろしければ、ブックマークと評価をお願いいたします。




