連勤の猛者達
私は白井音色
2年間、超絶ブラック企業に勤めてきた。しかし、心身共に不調をきたしたため、ホワイト企業で有名な「真っ白カンパニー」に転職した。
転職してから数日後、私は気づいた。ホワイト企業では燃えられないということを……。だから、私がこの会社を立派なブラック企業にしてみせる!!
私が休憩スペースにいると、こんな話が聞こえてきた。
「どう、10連チャン?」
「いやぁ~、きついです」
「そう? 10連チャンできついなんて言ったら、まだまだだよ。俺なんて、今50連チャンだぜ」
(き、来た!! 『ブラック企業の種』が!! これは……『連勤自慢』)
私は、以前の職場でのことを思い出していた……
……
……
……
『佐藤、今日で何連チャン?』
『もう30連勤目ですよ。1か月休んでないです。井上さんは?』
『はは、甘いな…… 俺なんて100連勤目だよ。ついに、俺も大台に乗ったぜ』
『ま、マジですか……、さすがですね、井上さん。レジェンドの仲間入りですね』
100連勤の大台に乗ると、レジェンドとして讃えられていた。
……
……
……
話は今に戻る
(な、懐かしい……『連勤の猛者達』 この会社にも居たのね)
「そうなんですか?」
「ああ、でも俺なんてまだまだ甘いよ。佐々木さんなんて、100連チャンしたらしいぜ」
(100!! いた! ここにもレジェンドが……)
私は、居ても立ってもいられなくなり、2人に話しかけた。
「あの~、『100連チャン』って、聞こえたんですが……」
「あ、白井さん……、聞こえてたんですか? 白井さんも知ってますか? 『ホワイトホワイトファンタジー』っていうゲーム?」
(え、ゲーム? ゲームの話だったの? え、『連チャン』って、何?)
「中々、レアキャラが当たらなくて……。やっちゃうんですよね、ガチャ……」
(な、なんだ…… ゲームのガチャの話だったのね……)
そして、私も「ホワイトホワイトファンタジー」の10連ガチャを回した……。
(や~ん、全然レアキャラが出ない……)
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