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秘密の書き物
高校生の時に秘密の書き物を始めた。それはこういったものだ。
学校から帰ってきてベッドに横たわりノートになんとなく書き物をする。自分ではポエムのような物だと思っている。それは宇宙の話や死についてのことやたまに哲学的なものだったり、割と自由に書いていた。ただそれに目的意識はなく、書いていると癒されるから続いたのかもしれない。この行為は高校から大学生のある日あの世界が終わったような気がしたあの日まで続けた。
月日が経ち大学2年生の冬留年が決まり自宅に帰るのが嫌だった日、何となく高校まで遊んでいた友人の平松の家に立ち寄った。平松の家には彼のお父さんと彼しかいなかった。平松は中学生の時両親が離婚して父親に引き取られた。だからずっと父と子の2人でやってきたのだろう。その日も玄関から上がると彼のお父さんが台所で夕食の支度をしていた。
「まぁ岡田、一緒に晩飯食べてく?」と彼が言ったので俺も断るのも難だから夕食をご馳走になることになった。