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ギルド

 「着いたわよ!ここがギルドよ!」


 ギルドというものに着いたらしい。先程見た城よりも大きくはないがそれでもかなりでかい建物だ。


 「そういえばシキナはギルドカード持ってるの?」


 「ギルドカード?なんですかそれ?」


 エリーが聞いてくる。残念ながらそんなもの知らない。


 「ギルドカードっていうのはクエストを受けるために必要なカードで、自分の名前とランクと属性が描かれているカードのことです。」


 リアが丁寧に説明してくれた。


 「ギルドカードって俺も作ることができるんですか?」


 「はい!誰でも作ることができますよ!折角だし、作っていきますか?」


 「はい!俺もギルドカードを作りたいです」


 そう言うと受付にいる女性のところまで案内された。最初にギルドカードを作るのに必要な自分の名前と年齢を書いた。そして別室に案内され属性鑑定というものをすることになった。別室に入った。別室には窓が無く机1つと椅子2つ…そして机の上に透明な水晶が置いてあった。俺と受付嬢は椅子に座った。

 

 「属性鑑定ってなにするんですか?」


 「属性鑑定は、この水晶に手をかざして属性を調べるんです。」


 「わかりました。」


 属性鑑定のことは大体わかったが、属性のことは知らないな…聞いておこう。


 「あの無知で申し訳ないんですけど…俺、属性のこと全然わからないんで教えもらっていいですか?」


 「分かりました。属性とは火、水、風、土、の基本属性4種類と闇と光の特殊属性2種類の合計6種類のことを指します。属性が分かると自分と同じ属性の魔法が覚えやすくなります。さらに、自分と同じ属性の魔法を使うときには、魔力の消費を抑えることができます!」


 「なるほど!わかりました。」


 「他に質問はありますか?」


 「ないです!」


 「では、属性鑑定を始めましょうか。シキナ様両手を水晶にかざしてください。」


 俺は水晶に両手をかざした。すると水晶は緑色に光った。


 「…シキナ様は風属性のようですね。」


 どうやら俺は風属性らしい。これで属性鑑定は終わりのようだ。受付嬢とともに別室からでた。


 「それではシキナ様暫くお待ち下さい。」


 そう言うと受付の女性は奥に入って行った。ギルドカードを作成するのに暫く時間がかかるらしい。


 「本当に色々とありがとうございます。」


 改めてリアとエリーに感謝した。本当に色々と教えてもらっているのだ。悔しいな…。口だけでなく形で感謝を伝えたのに。


 「いーのよ別に。困っている人を放っておけないだけなんだから。」


 エリーが少し頬を赤らめている。


 「シキナ様ー」


 受付嬢の声が聞こえて来たのでギルドカードを受け取りに行った。

 おおー。これがギルドカードか。ギルドカードに俺の名前、年齢、属性が書いてあった。ギルドカード作成後エリー達と別れた。エリー達は宿屋で泊まるらしい。俺はギルドから出て適当に町をぶらつき噴水のところで休憩した。

 もう日が落ちて夜になった。俺はある問題を抱えていた。それは…寝床だ。今日の寝床がないのだ。本当にどうしよう。んー路地裏で寝るか。いや、でもなー。腕を組み考える。…しょうがないな。今日は路地裏で寝るか。路地裏に移動しようとしていると後ろから悲鳴が聞こえてきた。

 

 「だれかー!!ひったくりよー!!」


 この世界でもひったくりなんかあるのかよ!呆れと驚きの両方の感情が出てきた。三角頭巾をつけた少女がひったくりを指でさしている。ひったくりは黒い布を着ていて俺の横を通り過ぎた。…捕まえるか。


 「マジックスターター!エアフロート!」


 本自体を飛ばし、ひったくりの後頭部に当てた。ひったくりは気絶した。周囲の人の驚きの声が聞こえてくる。…なんか変だったのか?俺はひったくりが盗んだであろうお金が入った風呂敷を奪い三角頭巾をつけた少女に渡した。


 「どうぞ」


 「あ、ありがとうございます。」


 「それでは」


 その場を離れようとすると


 「あ、あの待ってください!!」


 カッコつけさせてくれよ…と思いながら俺は振り返る。


 「あの…お礼させてくれませんか?」


 「お礼?別にいいですよ。」


 手をブンブンとふって断る。いいですよというのは、お礼を受け取るという意味ではない。別にお礼は要らないという意味だ。お礼や報酬のためにやったのではないからだ。


 「でも、そんな…。」


 参ったな。どうしよう…。どう切り抜ければいいかなと考え込んでいると。


 ぐー


 腹が鳴った。それもそのはず朝飯からなにも食わずにここまで来たのだから。俺は恥ずかしくなって顔を赤らた。すると、三角頭巾をつけた少女がフフと笑い


 「あの、もしよろしければご飯ご用意しますよ。」


 ーーーー


 その後は少女について行き宿屋に到着した。少女の名前は、エマだと教えてもらった。俺よりも年下だった。この宿屋を経営するのは、エマの家族だった。晩飯をご馳走させてもらった。さらに折角だからと寝床を用意してもらった。


 「ご飯だけではなく寝床も用意して頂いてありがとうございます。」


 「いいんですよ!お金を返してもらいましたので!」


 たかがひったくりから盗まれたお金を奪い返しただけなのにこんなにお礼を貰ってしまいなんだか申し訳ない。晩飯は、なにも食ったなかったので本当に美味しかった。


 「シキナさんは冒険者さんなんですか?」


 「あーうん。一応は。実は今日から冒険者になったんだ。」


 「へー。今日冒険者になったんですねー!職業は…魔道士ですよね?手から本を出してましたし。そういえばあの手から本を出す魔法あれなんていうんですか?」


 「あれはエアフロートって言ってマジックスターターを飛ばす魔法だよ。」


 「マジックスターター?」


 「ああ、マジックスターターっていうのは俺のスキルのこと。ほら!」


 手からマジックスターターを出す。エマは目を丸くする。


 「…凄いですね…。スキルを使える人なんて見たことない…」


 神様から貰ったスキルだからおそらく珍しいのだろうな。いや、スキルを使えること自体が珍しいのか。聞いてみるか。


 「ねえ、もしかしてスキルって使えること自体が珍しいの?」


 「そうですよ!上級の冒険者でもスキルを使える人なんて全くいなませんよ!」

 

 「そ、そうなんだ。」


 やはりスキルを使えること自体が珍しいのか。じゃあ俺超ラッキーなのか。


 「ご馳走様でした!凄く美味しかったです!」


 「あら、もういーの?もっと食べてもいいのよ?」


 エマの母が聞いてくる。


 「あはは。もうお腹いっぱいですよ。」


 「そう、ならよかったわ!」


 俺は今日寝る部屋に入ってベッドに腰掛けた。


 「ふー疲れたー。本当に色々あって大変な1日だったなー。」


 今日の出来事を振り返る。事故で死に、女神様に会い、魔王を倒す条件のもとマジックスターターを貰ってリアとエリーと出会い、ギルドカードを作り、ひったくりを倒してエマに出会ったんだ。明日から俺はなにをするか考える。魔王を倒すという最終目標は変わらないが、とりあえずお金が欲しい。…ギルドでクエストを達成しまくってお金を稼ぐのがいいと思った。

 …この世界にレベルという概念はあるのか?ある疑問が頭の中に浮かぶ。…多分あるんだろうな…なんかこの世界ゲームぽいし。

 レベルがあるなら魔王は俺よりもレベルが高くて強力な呪文を連発してくるんだろうなー。…勝てるのか俺?いや、今は勝てないだろうな。これからレベルをどんどん上げていって魔王を倒せるぐらいまで上げなきゃな。

 …眠くなってきたな。寝よう。


 

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