表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

対なる存在

少しずつ、少しずつ胃に流し込むスープ。

乾いた喉や体に沁みる為すべて平らげるのに時間を有した。


「ごちそうさまでした」

「チハル偉いね」


大きな手でエルが撫でて褒めてくれた。

お兄ちゃんが居たらこんな感じなのかなと思いながらぼんやりしていると眠気が襲ってきた。


「おや、やはり体力の限界がすぐ来てしまうね」

「ん......」

「神力を与えても負担がかかりそうだから、今は加護だけで我慢してね」


エルはそっと私を抱え上げる。

この体は随分と軽いようでエルは悲しそうな驚いたような表情になっていた。

ベッドは不思議と綺麗な布に覆われ安心して眠れそうだ。


「エル......おやす、み、な......すぅーーすぅーー」


私は言い終わらないうちに眠りについてしまった。






真っ暗だった。


『おーーい! 誰か、居ませんかーー! 』


私は先に進む。


すると、突然光の粒が私と同じくらいの人型になった。


『あなたは誰......?』

『私、ハル。あなたは?』

『私はチハルだよ』


人型のものが手を出すので私もそれに倣う。

すると視界がクリアになるようにハルの姿が現れる。


そこにはくすんだグリーンの髪色は自分で切ったようにばらばらで優しそうな顔立ちにぱっちりしたオリーブの色の目が印象的な少女がいた。


『もしかして、今の私?』

『うん。ハルの体をあなたにあげたの』

『どうして?』

『ハルは、もう動けないから自由に走りたくなっちゃった。ぱぱとままを追いかけなくちゃいけないから』


ハルはちっとも悲しそうじゃなかった。


『あのね、チハル』

『なぁに?』

『あたしの体弱っちくてごめんね』

『ううん、ハル私に体を譲ってくれてありがとう。大事に生きていくね』

『ありがとう!』


ハルはぱっと笑うと消えてしまった。





ゆっくりと目を開くと涙が溢れていた。

体を起こしエルを探すが近くに居ない事に気付く。


「エル......? どこ......」


小屋の中にはいないようだ。

ベッドから降り壁伝いに扉まで行くとそっと外を覗く。


(居ない......ハルの事お話してあげたかったのに......)


仕方がないし動くのもやっとなのでエルが帰るのを待つことにした。

【info】


下の【☆☆☆☆☆】に触れて評価してもらえると、さらなる励みにもなります。


重ねてのお願いでありますがブックマーク、評価の程をよろしくお願いいたします!


Twitterアカウント作成しました日々のつぶやき→@moChiru_naRo

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ