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ひぃちゃん、つれづれ  作者: メラニー
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出会い

 友達が星になった。

 ずっと長い間、闘病していた友達だ。


 彼女との出会いは中学生だった。

 府内の女子校に入学した私と彼女はクラスメートになったのだ。

 たぶん、クラスメートだったと思う。


 というのも、クラスは3組までしかなく、毎年クラス替えがあるものだから、ほぼ一学年がクラスメートのようなもので、入学式のその日から友達だったわけではないので、厳密にいうとよく覚えていない。

 しかし確実にその時から友達だった。

 高校もエスカレーター式で一緒に進学をし、大学では別れたものの、他の友達とは違い交流が続き、社会に出てからもずっと交流が続いていた。


 彼女……、呼び名が無いと不便なので、ひぃちゃんと名付けよう。

 ひぃちゃんは、中学の頃からひょろっとしていて……それは、容姿もなのだが、説明しがたいのだが性格もひょろっと掴みどころがない、そんな子だった。

 今思えばそれは、私よりもせいについて考えてきたなのかもしれない。


 私も2つ下の妹が身体障がい者で、養護学校や小児科病棟に出入りし、一般的な育ち方よりは考えてきたと思っている。

 でもそれは、『自分の事』では無かったのだろう。

 ひぃちゃんにとっては『自分の事』だったのだ。


 いつだったか。突然、ひぃちゃんは「自分は癌で死ぬ」と言った。

 多分、放課後、毎日のように残って記憶にも残らない何気ない話をしていた時だったと思う。

 ませていたというか、人生を斜に構えているような感のある中学生の私は、最初は厨二的なソレかと一瞬思ったりもしたが、しばらく聞くとリアルな話だ分かった。

 幼少期から、腸に問題を抱えていて、いつ発病してもおかしくないのだと話してくれた。


 それからウンジュウネン。

 とうとう、友達は旅立ってしまった。

 そんな事、有言実行しなくてもいいのに。


 最後の5年ほどは、期間が空いたとしても季節ごとには会うように、出来るだけ3か月に一度は会うように無意識にしていた。

 旅行に行ったり、お花見をしたり、花火を見に行ったり、お祭りに行ったり。がん治療で入院がちになると、ランチだけでも……と予定を合わせて連れだけした。

 最後の最後まで、悲観的な事をつぶやくことも無く、キラキラしたものと美味しいものが好きで、楽しい事を追いかけているひぃちゃんだった。


 私もひぃちゃんも、そして最後の5年、私と一緒にひぃちゃんと過ごしてくれた共通の友達のあーちゃんも、ひぃちゃんの病状に希望を持ちつつ、覚悟もしていたのだけど、覚悟なんてでき切っていなかった。

 いや、覚悟なんて出来る人はこの世にいるんだろうか。

 そんな人、即身仏になる聖人位なものかもしれない。


 前置きは長くなったけれど、私の友人のひぃちゃんの周りには不思議なことが色々ある。

 そんな話を、誰が読むわけでもない事を前提に気が向いた時に書いて行こうかと思う。








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