ぷろろーぐ
初投稿です、大目に見てください。モチベもつかわかりません。どんな結末になるかわかりません。
何も考えてないままノリで筆を載せてますのでご承知ください。
物語には終わりがある。終わりがあれば始まりもある。
シアワセってどこにあるのだろう、ハッピーエンドは誰が決めるのだろう
小さい頃から不思議に思っていた。誰かが勝手に決めたレールの上を走るだけの人生。
社会からはじき出されないように普通を装い、他人と違うことが否定される世界。
なんの意味があって世界は存続しているのだろうと。自分がいなくても世界は回り続ける。
みんなが行くから高校へ行き、大学受験をして、社会に出る。くだらない風習、風土、伝統、文化。未来に希望もなく期待もしない、ただ毎日なんとなく生きているだけ。
右に倣う用に、取り残されないように。けれどそんな人生ツマラナイ。コワシタイ。
気が付けば5月になっていた。大学を中退して正社員として地方の小さな会社に就職した僕はすっかりピンク色の減った桜を見上げため息をついた。
―今年も花見しなかったな
「毎年花見しようとは思ってはいるのだけどね」
なかなかどうして、行動しようと思っていても重い腰が上がらないものだ。
小さなころから誰かのまねをしてきた、友達やテレビのなかの芸能人。漫画やアニメのキャラクター。影響を受けやすい性格のせいで誰かと同じレールを走ろうとしたり同じように動いてみたり。だからと言って自分というものがないわけでもない、寧ろ自分をしっかり持っているつもりではいる。
「やっぱり不思議なことなんて起きないよな。事実は小説より奇なりなんて言うけれど早々起きるわけもないし」
―ツマラナイな
自重気味に笑うと会社へと戻ろうとした
「すみません。ここへ行きたいのですが道を聞いてもいいでしょうか?」
綺麗な声だった、聴いていて心地の良い澄んだ声。育ちがいい様な印象を抱いた。
肩まである少しだけ茶色い髪のボブカット。身長は僕の顎位までありそうだった。
「あー、自分ですか?」
周りには誰もいない。いや彼女を除けばの話だ。つまり彼女が幽霊にでも話しかける不思議ちゃんでなければ僕のはずだ。
「はい、そうです。この辺に在る筈なんですけれどビルの場所がわからなくて」
―はいここなんですが、と彼女は持っていたスマホを僕に見せてきた。僕は別に教えるだなんて一言も言ってないのに。
「あー、ここうちの会社があるビルですね。一緒に行きましょうか。戻るついでですし」
―こっちです,行きましょう
一緒になって歩き始めた。この辺はビルが割と多く何を思ったのか知らないが同じような名前のビルが乱立している。
川島、川俣、川越、川口。見事に川ばかなのはなぜなのだろうか。
どうでもいいようなことを考えつつ案内を始めた。
「ありがとうございます、助かります」
お礼を言われた。ビルは僕の会社オフィスがあるビルだった、どこかのドラマだか小説みたいな話だと思った。どんな偶然だよと。
「えーっとうちの会社に何かご用なんですか?」
口に出してから取引相手などであったら不味いよなと思ったがまあどうでもいいかと思い直した。
「はい、今日からそちらで働くことになっています!桜木と言います。よろしくお願いします。」
新しい社員だった。全然そんな話は聞いてなかった。いや朝の時点でなにか上司が言っていたような気もしなくもない気がする。
「あー、僕は月島っていいます。よろしくお願いします。ひとつ聞いてもいいですか」
少し気になったことを聞いてみた。
―なんで中途半端なこの時期に?と
「えーっと、前の会社が倒産しちゃいまして行く当てもない所を鳴海さんに誘われまして、
ありがたくお誘いを受けさせてもらったからです。」
彼女は困っちゃいますよねなんて言っていたけれど。
地雷踏み抜いた。僕は自慢じゃないけれど空気を読む会話ができない。
「大丈夫ですよ、僕も大学やめて雇ってもらえるくらいなので問題ないですよ」
何が大丈夫だよ、会話が繋がってないじゃないか問題しかねえよ。
「ふふ、ありがとうございます。」
彼女は、桜木さんは笑ってくれた。眩しかった、何故なのかわからなかったけどそう感じたんだ。
僕はきっと心が汚れてる、どうしようもないくらいに。他人の優しさが苦しい、優しくしないでほしいいつか裏切られるから。
「ところで、どこで鳴海さんとであったんですか?」
どうだ、これなら当たり障りのない会話の導入だろ、100点をあげたいくらいだ。
「えーっと、会社が倒産するって時に居酒屋で1人飲んでいたんですけれどその時に会いまして、意気投合して暫く話していたらいきなり社長に電話しはじめまして・・・」
鳴海さん自由だな、おい。そんなノリでOKを出す社長も社長か。
「あの人らしいといえば、らしいですね。自分も同じようなノリで雇ってもらいました。」
うちの会社はほんと謎だらけだ、社長の顔はみたことないし仕事内容もこれといって何をしているのかもいまいちわからない。それなのに社員がちゃんと生活できている。
書類に目を通して、案件があれば現場に行き解決する。まるで工事現場のようだ。
道案内がてら会話を続ける
―おいくつなんですか、自分は24です。
―私は25です。ふふ、1つだけ私のが先輩ですね
―先輩よろしくお願いします!
―ここでは月島さんが先輩ですよっ。
そんなことをおちゃめに言うもんだからどうしようもなく眩しくて、見惚れてしまった。
やばいなこれ。
「と、到着ですね。ここがうちの会社が入っているビルです。」
僕は慌てて会話を終了させる。大丈夫かな?声うわづったりしてないよね?
「ありがとうございます、助かりました。」
「いえいえ、ついでですから。鳴海さん呼んできますね。入ってすぐ右のソファーに座って待っててください」
そう言ってから鳴海さんを呼びに行く、少しだけ心地がよくて名残惜しいけれど今は呼びにいかないとな。
―おい、月島何さぼってんだよ、飲みに付き合せるぞ
―さぼってないっすよ!!ちゃんと仕事してきましたって!ほら、朝言ってた新人さん連れてきたっす
―お前、ああいうのタイプだろ、俺には分かるんだよなあ
―ちょ、なにいってんすか
鳴海さんにいじられた。これ普通に聞こえてるもんな、困ったな。顔が赤くなるよきっと
「桜木さん、お待たせしました。それでは僕はこれで」
ちゃんと仕事はしたはずあとは会社へ提出する書類やもろもろを鳴海さんがやってくれるしな、桜木さんはきっとうまくやれるんじゃないかな、コミュ力高そうだし。
「悪いね、待たせちゃったかな。久しぶりってほどでもないけど、ようこそ。仕事の話をする前にアイツ面白いやつだからよろしくやってな?」
「はい、よろしくお願いします。面白いですか?」
「からかいがいがあるってやつだよ、覚えておくといい。」
なんだよそれ、鳴海さんおかしいだろそれ!!!!!!僕はおもちゃじゃない!!!!