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べラルダの神子  作者: マウンテンブック
序章
7/8

女神ベラ




サマリー神官が地上で荒ぶっている時、ライトは不思議な空間にいた。


(ふわふわする。痛いのもなおっちゃった)


ふわふわと浮かびながらライトは考える


(やっぱり死んじゃったのかな)


ここは明らかに村ではないし、怪我をしていたはずの自分が元気にふわふわしている。恐らくここは死後の世界だろう


(おとうさんとおかあさんどこかな)


ここが死後の世界であれば両親もいるはず、ライトはアーロンのセリフをしっかりと覚えていた


(死んじゃったのは悲しいけどおとうさんとおかあさんに会えるならいいかな)


しばらくふわふわしていると何処からか泣き声が聴こえてきた


(ごめんなさい、ごめんなさいって聞こえる)


ライトは声のする方へ向かってみることにした

すると羽根が生えた黒髪の女が泣いていた


(おねえさん、どうしたの?おなかいたい?)


女は答えた「私のせいでごめんなさい」


ライトは意味が分からなかった。しかし母親から「女の子にはやさしくしなさい」と良く言われていたので女の頭をいい子いい子してみた。女はより激しく泣き出した。


しばらく泣き続けようやく女は落ち着いてきた。


「ごめんなさい。私のせいでごめんなさい」


しかし相変わらず言っていることは分からない


(おねえさんどうしたの?なんで謝ってるの?)


「私が!私があの女の口車に乗らなければ貴方は死なずにすんだのに」


ライトには話が見えなかったがどうやらライトが死んだのはこの女のせいらしい


(ちがうよ。ぼくが死んだのはアーロンのせいだよ。おねえさんのせいじゃないよ)


ライトは必死に女を慰めた。


「そうじゃないの。私がちゃんと貴方が産まれる国をべラルダにしておけば貴方は死なずにすんだの」


ここまで話しを聞いてライトは閃いた


(おねえさんはベラ様?)


「そうよ。私がベラよ。愛しい私の息子」


(ぼくのおかあさんはトーニアっていうんだよ)


「そうね。でも私の子でもあるのよ。私の神子だもの」


(そうなんだ。はじめましてベラ様。ライトっていいます)


「ふふふ。知っているわ。いつも見ていたもの」


「でも見ることしか出来なかった。アルタイルは私の担当してる国じゃなかったから。アルタには言っておいたんだけど間に合わなくてごめんなさい」


(ベラ様はわるくないよ。あっそうだ。ねぇねぇおとうさんとおかあさんどこにいるか知ってる?)


「2人ともここにいるわ」


ベラの周りをふよふよと2つの丸い光が漂っている


(おとうさん!おかあさん!)


「2人とも守ってあげられなくてごめんって言ってるわ」


(ぼくにはきこえないよ?)


「それは貴方が完全に死んではいないからよ。貴方の肉体は死んでしまったけど魂は私が死なないように保護してる。肉体が治れば生き返れるわ」


(ぼく、おとうさんとおかあさんといっしょにいるよ)


「それも良いかもしれないわね。でもね2人とも生きて楽しいことを沢山経験してって言ってるわ」


(ひとりはやだよ。おとうさんとおかあさんがいないのはやだ)


「私も出来る限りのことはするわ。今ね貴方を必死で生き返らせようとしてる人がいるの。今なら私がこちら側から後押しすれば生き返れる」


(でも・・・)


「貴方のお父さんも言ってるわ。ここで待ってるから生きて楽しいことをいっぱい経験して俺たちに聞かせてくれって」


(うん・・・)


「お母さんは結婚して幸せになって孫の顔を見せてちょうだいって言ってるわ」


(見れるの?)


「ここにいれば見れるわよ。ここはね神の間っていう特別な場所なの。地上のあらゆる所が見えるの。だからいつでも貴方を見守っていられる。ご両親が満足するまでここにいることを私が許可するわ」


(わかった。さみしいけどがんばる)


「いい子ね。こっちにおいで」


ベラはライトを抱き寄せると優しく口付けをした。


「これで戻れるわ。あと直感のスキルを付けておいたから。これで危険なことは避けてちょうだいね」


(ありがとうございます)


「頑張ってね。そして早目にべラルダにいらっしゃい。そうすれば私が直接守ってあげられるから」


ライトはふよふよと下に落ちていく。


(ベラ様またねー!おとうさん、おかあさん!いってくるねー)


ライトの魂は地上へと戻っていった。


「さて泣いてばかりもいられないしね。とりあえずアルタの奴をぶん殴ってくるわ」


ライトと会話し少し気が楽になったベラは今回の元凶を殴りに行った。

ライトの両親は気掛かりなのか、ずっと地上を覗いている。ライトが無事に生き返れますように。今度こそ楽しい人生を歩めますようにと願いを込めて。




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