第1話: 突然の召喚! オタ部屋が異世界に?
俺の名前は高橋太郎、略してタカシ。28歳、独身、職業はフリーター……いや、正直に言うと引きこもりオタクだ。毎日、狭いワンルームでミリタリープラモデルを組み立てて、戦史本読んで、シミュレーションゲームに没頭するのが至福の時。部屋の棚は戦車フィギュアで埋め尽くされ、床の下には戦闘機や兵士のスケールモデルが山積み。今日も深夜2時、ネットで新作のWWII戦車キットをポチッてニヤニヤしてた。
「ふふふ、この1/35スケールのティーガーI、完璧だぜ。異世界転生ものみたいに、俺もこんな重戦車で無双したいわー」
そんな妄想に浸ってる最中、突然部屋が揺れた。地震? いや、なんか違う。視界が歪んで、光が溢れ出して……。
「うわあああ! 何これ!?」
部屋全体が浮遊感に包まれ、次の瞬間、俺はベッドごと転がり落ちた。ドンッ! と衝撃。目を開けると、そこは……森? 木々が立ち並び、鳥のさえずりが聞こえる。俺の部屋が、ぽっかりと森の中に鎮座してる。壁は無事、PCの画面はまだ点灯中。外は青空で、明らかに日本じゃない。
「夢? いや、痛いぞこれ……マジで異世界転生? でも部屋ごとって、ありえねぇだろ!」
パニックになりながら窓から外を覗く。木々の向こうに、なんか獣みたいな影が動いてる。ゴブリン? いや、もっとデカい。角が生えた狼みたいなモンスターが、こっちを睨んで唸ってる!
「うわ、ヤバい! 逃げろ俺!」
でも部屋のドアは開かない……いや、外に出る必要ある? 待て、異世界転生ならスキルとかあるはずだろ。頭に浮かぶメッセージみたいなの、来い来い……あ、来た!
【スキル取得: フィギュア・マスター】 【説明: 所有するフィギュアを活性化し、操ることが可能。活性化したフィギュアは元の特性を反映した力を持つ。】
「マジかよ! チートじゃん!」
慌てて棚からお気に入りの戦車フィギュアを掴む。ティーガーIのヤツだ。「活性化!」と念じると、フィギュアが光り輝き、手のひらサイズのミニ戦車に変身! しかも動く!
「いけ! あの狼をやっつけろ!」
ミニティーガーが前進し、主砲をブチかます! 爆音とともに狼が怯んで後退する。すげぇ、リアルだ! 次に戦闘機フィギュアを活性化。ゼロ戦タイプのヤツが、ミニサイズで空を飛び、機銃掃射で狼を蜂の巣に。
「ははは、無敵じゃん俺! フィギュア軍団で異世界無双だぜ!」
戦いが終わると、森の奥から金髪の少女が現れた。ドレス姿で、碧い瞳がキラキラ。美少女すぎる……。
「あなたが……勇者様ですか? 私の召喚魔法が、こんな形になるとは……」
彼女はエルフィア、王国の王女らしい。魔王の脅威から国を救うため、勇者を召喚したけど、失敗して俺の部屋ごと引きずり込んだんだと。
「え、俺が勇者? いや、ただのミリオタだけど……でも、このスキルならいけるかも!」
こうして、俺の異世界生活が始まった。部屋を基地に、ミリタリーフィギュアを武器に。さて、何が待ってるやら。
(つづく)




